ショールーミングとウェブルーミング。アパレル業界の大きな変化にどう対応する?

  • 2024.04.09
  • EC

近年はコロナ禍の影響も落ち着き外出機会が増えたため、ショールーミングとウェブルーミングの購買行動が増えています。しかし、ショールーミングとウェブルーミングについて詳しく知らない方も多いでしょう。
今回は、ショールーミングとウェブルーミングの定義や注目される理由・対策などを中心に解説します。

ショールーミング、ウェブルーミングとは何か

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まずは、ショールーミングとウェブルーミングについて理解を深めていきましょう。ショールーミングとウェブルーミングは、現代の消費者行動を表す新たな用語で、オンライン・オフラインの購買行動の違いを示しています。

ショールーミングとは

ショールーミングとは、消費者が商品を実店舗などのオフラインの場で検討し、オンラインで購入する行動です。具体的には消費者が店頭で商品を手に取って試着・試用を行い、商品の品質・機能を直接確認します。商品を確認した後、購入は店頭ではなくオンライン上で行います
ショールーミングを行う理由は「オンラインの方が安い」「自宅に届けてもらえる」などのメリットがあるためです。また、オンラインでは確認できない商品の着用感・使用感などを直接確認することができます。

ウェブルーミングとは

ウェブルーミングとは、消費者がオンラインで商品の比較検討を行い、実店舗で購入する行動です。具体的には消費者がオンライン上で商品の情報を集め、価格・評価・レビューなどを比較検討します。収集した情報を基に、実店舗で商品を購入します。
オンラインは買い物の手間を省けるメリットがある一方で「配送されるまで待たなければならない」「実物を確認できない」などのデメリットもあります。ウェブルーミングを活用すれば商品を実店舗で購入できるため、実物を確認しながら商品をすぐに手に入れられる点がメリットです。

なぜショールーミングやウェブルーミングが注目されているのか

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ショールーミングとウェブルーミングが注目されている理由について、消費者行動の変化・背景を見ていきましょう。

コロナによる外出控えによる購買行動の変化

コロナ禍を経て、消費者の購買行動は大きく変化しました。特に、外出を控える傾向が強まり、家でのんびりと商品を検討するような購買行動が一般化しています。感染リスクを避けるため、または自宅でゆっくりと商品を比較検討できる利便性からです。
結果として実店舗での購買が減少し、売上は下降傾向にありました。しかし、実物を見て判断したい消費者のニーズから家でゆっくりと比較検討した上で購入のためだけに外出するといったケースが近年増えています。上記の購買行動の変化は、ショールーミングとウェブルーミングの増加を引き起こし、企業にとって新たな対策が必要となっています。

ECサイトの普及

スマートフォンの普及でいつでもどこでもインターネットにアクセスできるようになり、ECサイトも急速に普及しています。消費者がECサイトで商品を購入することに抵抗がなくなり、購買行動が大きく変化しました。
ECモールなどの発展も大きく、自社のECサイトだけでなく他社モールで商品を比較検討して購入する機会が増えています。上記の変化は消費者の購買行動に大きな影響を与え、ショールーミングとウェブルーミングの増加を引き起こしています。上記の現象を理解し、適切な対策の実行が企業の競争力を維持するために必要となっています。

ショールーミングとウェブルーミングの具体的な対策方法

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ここからは、ショールーミングとウェブルーミングの対策として、具体的な例を4点紹介します。

  • 実店舗で情報を得やすいようにサポートする
  • O2Oを展開する
  • オムニチャネルを展開する
  • 店舗在庫と連動した表示を行う

実店舗で情報を得やすいようにサポートする

実店舗での購買体験は、商品を直接試せる大きな利点があります。店舗では試着・試用を通じて、商品の特性・品質を直接確認できる環境を提供するのが重要です。商品の組み合わせ・具体的な活用方法など、店舗だからこそ得られる情報を積極的に提供しましょう。
消費者は店舗で得た情報を基に自宅でゆっくりと商品を比較検討し、最終的な購入判断を下すことができます。

O2Oを展開する

O2O(Online to Offline)は、オンライン・オフラインの購買体験をつなげる戦略です。オンライン・オフラインの購買体験をシームレスに連携できると、顧客との接点も多くなり購入につながる確率も高くなります。
例えば、SNS・メールマガジンなどのデジタルツールを活用して、消費者に店舗への来店を促す情報(クーポン・特典など)を発信する取り組みが挙げられます。来店時にアプリ・ウェブサイトへの誘導を行う特典を提供すれば、オンライン・オフラインの双方を活性化させることができます。

オムニチャネルを展開する

オムニチャネルとは、SNS・ECサイト・店舗など複数のチャネルで顧客との接点を作る戦略です。オンライン・オフラインの複数チャネルで商品を販売できるようにすれば、ショールーミングとウェブルーミングをより積極的に推進することができます。
例えば、ECサイトを構えつつ店舗での受け取りサービスを提供できればオンラインでの購入・オフラインでの商品受け取りをスムーズに連携可能です。消費者は自分のライフスタイルに合わせて最適な購買経路が選択でき、売上の増加が期待できます。

店舗在庫と連動した表示を行う

ウェブルーミングの場合、消費者は近くの店舗で商品を確認できるかどうかを判断基準の1つとします。実店舗の在庫情報をウェブサイト上に表示できれば、消費者が実物を見て購入を決める際の判断材料を提供することができます。
店舗在庫をオンラインで確認できれば、実店舗で商品を確認したい消費者を取りこぼさず購買まで導くことが可能です

ショールーミング・ウェブルーミング対策事例

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ショールーミングとウェブルーミングの対策事例として、以下の3つを紹介します。

  • オンラインだけでなく実店舗を出店したゲーム販売会社
  • スマホアプリを活用した大手アパレル企業
  • 商品にQRコードを設定しECサイトへのアクセスを容易にした大手家電量販店

オンラインだけでなく実店舗を出店したゲーム・古本販売会社

1つ目の事例は、ゲーム・古本などを中心に販売している会社のウェブルーミング対策事例です。こちらの企業は、以前はオンラインショップだけでの運営でした。しかし、コロナの影響が落ち着き外出の機会が増えた段階で大阪に実店舗を出店しています。
現在では実店舗を全国各地に展開しており、多くのオンラインユーザーが直接商品を確認できるような体制を整えています。消費者の、商品を実物で確認したいニーズをくみ取った効果的なウェブルーミング対策事例です

スマホアプリを活用した大手アパレル企業

2つ目は、スマホアプリを活用してウェブルーミング対策を行っている大手アパレル企業の事例です。具体的には、自社専用のアプリを作成して実店舗の在庫状況・アクセスなどを確認できるようにしています。
消費者はオンラインで希望する商品の情報をアプリで検索しながら、在庫のある店舗で実際に試着して商品購入の可否を決められる流れを構築している点が特徴です。実店舗に直接行けない顧客でも、アプリから商品を購入することができます。スマホアプリを活用して、オンライン・オフライン双方のニーズをうまくくみ取っています。

商品にQRコードを設定しECサイトへのアクセスを容易にした大手家電量販店

3つ目は、大手家電量販店のショールーミング対策事例です。具体的には店頭の商品にQRコードを設定し、スマホアプリから読み取れば直接ECサイトの商品ページにアクセスできる仕組みを構築しています。
店頭で自社ECサイトのアクセスを促し、他社サイトに顧客が流出するのを防いでいます。購入時に付与されるポイントについてもECサイト・実店舗で統合しており、買い物がしやすい工夫がされている点も特徴です。

ショールーミング・ウェブルーミング対策にはOMOも大切

ショールーミングとウェブルーミングの対策には、実店舗やECサイトの在庫連動・顧客購買体験のシームレス化などOMO(Online Merges with Offline)の考え方が重要です。OMOはオンライン・オフラインの境界をなくし、一体化した体験の提供を目指しています。
 「Omni-Base for DIGITAL'ATELIER」はOMOの導入をスムーズに進められるサービスです。ECサイト・実店舗の商品・在庫情報を一元管理できるため、オンライン・オフラインのスムーズな連携をサポートしてくれます。
ECサイト・実店舗の購買履歴を確認できる機能もあり、オンライン・オフラインの双方でニーズにあった商品の提案がしやすい点も特徴です。
ショールーミングとウェブルーミング対策などオンライン・オフラインの連携をスムーズに行いたい方は、ぜひ 「Omni-Base for DIGITAL'ATELIER」の活用をご検討ください。