【SNSの活用法】ソーシャルコマースとは?ECサイトとの違いやメリット・デメリット

  • 2024.06.13
  • EC

オンラインで商品を購入する機会が増えており、ソーシャルコマースと呼ばれる新しい形の購買体験が提供されはじめています。ソーシャルコマースとはソーシャルメディア・Eコマースが融合した販売形態で、SNS上から直接商品を購入できるなどのメリットがあります。一方で、成果を出すまでに一定の時間がかかるなど注意点もあるため、事前対策が必要不可欠です。
今回はソーシャルコマースについて、ECサイトとの違い・メリット・デメリットなどを詳しく解説します。本記事を読めば、ソーシャルコマースについて理解できるうえに、スムーズに自社で導入できるでしょう。

ソーシャルコマースとはどういうもの?

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ソーシャルコマースは、ソーシャルメディア・Eコマースが融合した新しい販売形態です。従来のEコマースサイトでは、ユーザーが能動的に商品を探し、検索して購入する必要がありました。

しかし、ソーシャルコマースではSNSを活用してユーザーに商品をPRし、気軽に購入できる仕組みとなっています。普段から利用しているSNSで気になる商品を見つけ、そのまま購入手続きを完了できるのがソーシャルコマースの最大の特徴です。

ECサイトとの違い

ソーシャルコマースとECサイトでは、商品購入に至るまでのプロセスが大きく異なります。ECサイトではユーザーが自ら商品を検索し、選択する必要があります。一方、ソーシャルコマースではSNS上の広告・インフルエンサーの投稿などを通じて、ユーザーに商品が提示されるのが特徴です。

そのため、ユーザーは能動的に商品を探す必要がなく、SNSを閲覧しているだけで魅力的な商品に出会え、気に入ればそのまま購入ができます。友人にシェアしたり、レビューを参考にしたりとSNSならではの機能を取り入れながら、購買行動を行えるのがソーシャルコマースの大きな利点です。

実装されているSNS

SNS ソーシャルコマース機能
Instagram Instagramショッピング
Facebook Facebook Shops
Pinterest Pinterest Catalogs
TikTok TikTok Shop
LINE LINEミニアプリ
WeChat WeChatミニプログラム

上記のSNSでは商品写真・動画を掲載でき、ユーザーは投稿から直接購入手続きに進めることが特徴です。

また、LINEやWeChatなどのメッセージングアプリでも、ミニプログラム・ミニアプリなどの形でソーシャルコマースが導入されています。上記のように、ソーシャルコマースはさまざまなSNSプラットフォームで実装されており、今後さらなる普及が予想されています。

ソーシャルコマースは、SNSの機能を最大限活用してユーザーに新しい購買体験を提供しています。今後も進化が期待される新しいEコマースの形態に、ぜひ注目していきましょう。

ソーシャルコマースのメリット・デメリット

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ソーシャルコマースは新しいビジネスの形態ながら、メリット・デメリットがあります。以下では、ソーシャルコマースのメリット・デメリットについて、具体的に解説していきます。

ソーシャルコマースのメリット

ソーシャルコマースのメリットは、主に以下の3点が挙げられます。

メリット1: 購入まで離脱されにくい

ソーシャルコマースでは、ユーザーがSNSを利用している最中に商品が提示されるため、購入までの離脱が少なくなります
従来のECサイトでは、商品を探す→詳細を見る→カートに入れるといった一連の行程があり、各プロセスで離脱する可能性がありました。

しかし、ソーシャルコマースなら、SNSの投稿に添えられている商品購入ボタンから購入が可能なので離脱を防ぎやすい仕組みとなっています。

メリット2: 比較的若い層にもアプローチできる

SNSは若年層により広く浸透している点が特徴です。ソーシャルコマースを活用すれば、従来のECサイトでは届きにくかった若年層への販路開拓が期待できます。SNSの友だち同士でシェアされやすい特性も、若年層へのアプローチに効果的です。

メリット3: 顧客ファンを増やしやすい

SNSではお気に入りのブランド・インフルエンサーをフォローしたり、投稿にコメントを残したりと双方向のコミュニケーションが可能です。ソーシャルコマースを活用すれば顧客とのつながりが深まり、ファンを獲得しやすくなります

ソーシャルコマースのデメリット

一方で、ソーシャルコマースのデメリットは以下の3つが挙げられます。

デメリット1: 情報更新の手間が発生する場合がある

ソーシャルコマースでは、商品情報をSNS上で公開する必要があります。商品ラインナップに変更があった場合は、SNS上の情報も更新しなければなりません。更新作業には手間がかかり、人的リソースを必要とする可能性があります。

デメリット2: 成果が出るまでに時間が必要

SNSでフォロワーを増やしたり、認知度を上げたりするには一定の時間が必要です。ソーシャルコマースを始めてすぐに大きな売上につながるとは限らず、地道な情報発信が求められます。

デメリット3: 外部サービスの影響を受ける

ソーシャルコマースでは外部のSNSプラットフォームを利用します。よって、SNSサービスの変更・障害などの影響を受ける可能性があり注意が必要です

上記のように、ソーシャルコマースにはメリット・デメリットがあります。自社のビジネスニーズに合わせて、うまくソーシャルコマースを活用していくのが重要です。メリットを最大限に生かしつつ、デメリットをしっかりと理解した上で対策を講じれば、ソーシャルコマースの効果を最大限に引き出せます。

ソーシャルコマースを運営する際のポイント

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ソーシャルコマースを運営する際のポイントとして、以下3つが挙げられます。

  • 一貫した体験の提供
  • 口コミ情報の活用
  • 広告の最適化

それでは、実際にソーシャルコマースを効果的に運営するためのポイントを見ていきましょう。

一貫した体験の提供

ソーシャルコマースでは、ユーザーにとって使いやすく、理解しやすく、購入しやすい体験の提供が求められます。商品を閲覧し、購入するまでのプロセスで、一貫した情報・体験が提供されることを期待しています。

また、操作がスムーズで直感的に行えることも重要です。これにより、ユーザーは混乱することなく、ストレスを感じずに購入手続きを進めることができます。

たとえば、ソーシャルメディアからECサイトに遷移した際に、統一されたブランドイメージを保つことができれば、ユーザーはどのプラットフォームでも同じブランドと認識でき、スムーズに購入手続きに移れます

ソーシャルメディアから商品を見つけ、カートに入れ、購入するまでの過程がスムーズで中断されないようにすることも大切です。また、製品情報や価格、プロモーションなどがどのチャネルでも同じであるといったことも重要なポイントになります。

これらのことを意識して一貫した体験を提供することで、ソーシャルコマース利用のハードルを下げることができます。

口コミ情報の活用

ソーシャルコマースを取り入れる際は、口コミ情報を活用しましょう。ソーシャルコマースの大きな強みは、SNSの特性を生かせる点にあります。SNSでは、ユーザーによる口コミ投稿・レビュー・商品の実際の使用シーンなどが自然と共有されます。

上記のユーザー生成コンテンツ(UGC)を効果的に活用すれば、企業が一方的に発信する情報とは異なる生の声を届けられます

たとえば、インフルエンサーに商品を使ってもらい、使用レビューを投稿してもらうなどの方法があります。また、一般ユーザーの投稿を商品ページでシェアするなど、口コミ情報を商品の魅力としてPRするのも効果的です。

商品の実際の使用シーンを見られればユーザーは着用イメージをしやすくなり、スムーズに購入を促せます。UGCの活用が、ソーシャルコマースの大きな武器となります。

広告の最適化

広告の最適化もソーシャルコマースのポイントです。ソーシャルコマースではSNS上で広告を配信し、ユーザーを呼び込んで購入を促すケースが多くあります。ソーシャルコマースの成果を最大化するためには、広告運用を最適化してターゲットユーザーへいかに効果的にリーチするかが重要です

年齢・性別など細かく条件を指定したターゲティング・リターゲティング広告の実施・広告クリエイティブの改善など、PDCAサイクルを回しながら広告を最適化していく必要があります。SNSだけでなく、ほかの広告手段と組み合わせた集客も検討しましょう。

ソーシャルコマースは集客から購入までの一気通貫したプロセスになるため、確実にターゲットユーザーへ届く仕組みの構築が欠かせません

ソーシャルコマースを成功させるためには上記のポイントに注目し、SNSの特性を最大限に生かす運営が求められます。ユーザー視点を忘れず、創意工夫を重ねながら新しい購買体験を提供しましょう。

ソーシャルコマースを活用してECでの売上を最大化させよう

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ソーシャルコマースは、SNSとECサイトが融合した新しい購買形態です。ユーザーは普段利用しているSNS上で商品を発見し、そのまま購入できるのが最大の特徴です。ECサイトと異なり、能動的に商品を探す必要がありません。
ソーシャルコマースのメリットは、購入までの離脱が少ない・若年層への浸透が期待できる・顧客ファンを増やしやすい点などです。一方、デメリットとしては情報更新の手間がかかる・成果が出るまでに時間がかかる・外部サービスの影響を受けやすい点が挙げられます。
効果的な運営のためには、一貫した購買体験の提供・口コミ情報の活用・広告の最適化が重要です。新たなマーケティングチャネルとして可能性を秘めているソーシャルコマースを導入し、ECでの売上を最大化させましょう。