D2Cとは?B2C・B2Bとの違い、メリット・デメリットなどをまとめて解説

  • 2024.08.14
  • EC

近年、新しいビジネスモデルとして「D2C」が注目を集めています。しかし、D2Cが具体的にどのようなビジネスモデルか知らない方もいるでしょう。
D2Cとは製造業者が直接消費者に商品を販売するビジネスモデルです。卸売業者などの中間業者を挟まないため、価格設定を抑えられるなどのメリットがあります。
今回はD2CについてB2C・B2Bとの違い、メリット・デメリットなどをまとめて解説します。

D2Cとは

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D2Cは「Direct to Consumer」の略称で、製造業者が直接消費者に商品を販売するビジネスモデルを指します。従来の流通チャネルを省略し、メーカーと消費者を直接つなぐ革新的な手法です。
インターネットの普及により、企業は自社のウェブサイトやSNSを通じて顧客と直接コミュニケーションを取れるようになりました。中間業者を介さずに製品を販売し、消費者のニーズをダイレクトに把握可能になります。
D2Cの利点は、流通コストの削減による価格競争力の向上だけでなく、顧客データの直接取得によるマーケティング戦略の最適化なども挙げられます。消費者にとっても、より透明性の高い購買体験やカスタマイズされた製品・サービスを受けられるメリットがあります。
D2Cモデルは幅広い業界で急速に広がっており、今後のビジネス展開において重要な戦略の1つです。

B2C、B2Bとの違いって?

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D2Cと似た言葉にB2CとB2Bがあります。上記の用語は、ビジネスモデルや取引の形態を表す重要な概念です。各用語の意味と特徴を詳しく見ていけば、現代のビジネス環境をより深く理解できます。以下ではB2CとB2Bの定義を確認し、D2Cとの違いを明確にしましょう。

B2Cとは

B2Cは「Business to Consumer」の略称で、企業が一般消費者に商品やサービスを提供するビジネスモデルです。日常生活で私たちが経験する多くの購買活動がB2Cのカテゴリーに該当します。
例えば、スーパーマーケットでの買い物・オンラインショッピングサイトでの商品購入・レストランでの食事など、企業が最終消費者に直接販売するすべての取引がB2Cに含まれます。B2Cでは企業は消費者のニーズや嗜好を理解し、製品開発・マーケティング戦略を展開することが重要です。
B2Cビジネスの特徴として、大規模な顧客基盤・比較的短い販売サイクル・感情的な購買意思決定などが挙げられます。企業は広告・プロモーション活動を通じ、ブランド認知度を高めて顧客との信頼関係構築に注力します。

B2Bとは

B2Bは「Business to Business」の略称で、企業がほかの企業に対して商品やサービスを提供するビジネスモデルです。B2Bでは一般消費者ではなく、企業が顧客となります。B2Bの例は、以下のとおりです。

  • 製造業者が小売業者に商品を卸す場合
  • ソフトウェア会社がほかの企業にビジネスソリューションを提供する場合
  • コンサルティング会社が企業にアドバイスを行う場合

上記の取引は一般消費者の目に触れにくいですが、ビジネス世界の重要な部分を占めています。
B2Bビジネスの特徴は、長期的な取引関係・複雑な意思決定プロセス・高額な取引・専門的な知識やサービスの重要性などです。また、B2Bでは顧客数が比較的少ないものの、1回あたりの取引額が大きくなる傾向があります。
企業間取引では製品やサービスの品質・信頼性・アフターサービスなどが重視され、価格だけでなく総合的な価値提案が求められます。

D2C、B2C、B2Bの違い

D2C・B2C・B2Bの概念を理解したところで、違いを整理していきましょう。主な違いは、取引の当事者と流通経路にあります。

D2C・B2C・B2Bの違い 概要
取引の当事者
  • D2C:製造業者(Direct)→ 消費者(Consumer)
  • B2C:企業(Business)→ 消費者(Consumer)
  • B2B:企業(Business)→ 企業(Business)
流通経路
  • D2Cは中間業者を介さず、製造業者が直接消費者に販売する
  • B2Cは小売店やオンラインプラットフォームなどを通じて消費者に販売する
  • B2Bは企業間で直接取引を行うが、代理店を介する場合もある
マーケティング手法
  • D2Cはソーシャルメディアやインフルエンサーマーケティングを多用する
  • B2Cは幅広い広告チャネルを活用する
  • B2Bは専門的な業界イベントや直接的な営業活動を重視する

上記の違いを理解すれば、各ビジネスモデルの特性や戦略をより深く把握可能です。企業は自社の製品やサービスの性質・ターゲット市場・経営資源に応じて、最適なモデルを選択または組み合わせていく必要があります。

D2Cのメリット・デメリット

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D2Cの概念とほかのビジネスモデルとの違いを理解したところで、企業にもたらすメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。D2Cモデルは多くの利点を提供する一方で、独自の課題も抱えています。以下ではメリットとデメリットを具体的に解説し、企業がD2Cを検討する際の判断材料を提供します。

D2Cのメリット

D2Cビジネスモデルには、従来の流通モデルと比較して多くのメリットがあります。下記のメリットはブランドの独自性や顧客との関係性構築、マーケティングのデータ活用に大きく貢献します。

1.ブランドの想いを消費者に直接伝えやすい

D2Cモデルでは、中間業者を介さずに直接消費者とコミュニケーションを取れます。ブランドのビジョン・ミッション・価値観を純粋な形で伝えることが可能です。

2.価格設定が柔軟にできる

中間マージンを削減できるため、競争力のある価格設定が可能。高品質な製品をより手頃な価格で提供したり、利益率を向上させたりできます。

3.迅速な製品開発とフィードバックの反映ができる

消費者と直接コミュニケーションが取れることで、消費者の反応・ニーズの変化をリアルタイムで把握できます。製品の改良・新製品の開発をスピーディに行い、市場の変化に柔軟に対応可能です。

4.ブランドロイヤルティの構築

消費者と直接コミュニケーションが取れることで、より深い関係性を構築でき、長期的なブランドロイヤルティにつながり、顧客生涯価値(LTV)の向上に寄与します。

上記のメリットを活かせば、D2Cブランドは独自の市場ポジションを確立し、持続的な成長を実現できます。

D2Cのデメリット

D2Cモデルには多くのメリットがある一方で、いくつかの重要な課題・潜在的なデメリットも存在します。下記の問題への適切な対処が、D2Cビジネスの成功には不可欠です。

1.ブランド認知度の向上に労力がかかる

既存の流通チャネルを利用しないため、ブランドの認知度を高めるための独自の努力が必要。多大な時間・リソースが必要で、効果的なデジタルマーケティング戦略の立案と実行が求められます。

2.環境構築に初期コストがかかる

D2Cビジネスを始めるには自社ECを新たに構築する必要があり、Eコマースプラットフォームの構築・決済システムの導入・物流ネットワークの確立など、多くの初期コストがかかります。環境構築費用は、特に小規模な企業や新興ブランドにとって大きな負担になります。

3.物流・配送の管理に手間がかかる

製品の保管・梱包・配送などの物流面を自社で管理する必要があります。特に、需要の変動が大きい場合や季節性のある商品を扱う場合に課題となり、効率的な在庫管理と迅速な配送の両立が求められます。

4.データセキュリティとプライバシーの懸念

顧客データを直接扱うため、データセキュリティとプライバシー保護に関する責任が増大します。そのため個人情報保護法などの規制遵守やサイバーセキュリティ対策の強化が必要となり、追加のコスト・労力を要します。

D2Cを実現するためのECサイトを構築しましょう

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D2Cビジネスモデルは、製造業者が直接消費者と取引する革新的な手法です。ブランドの想いを直接伝え、顧客データを活用した精密なマーケティングが可能になる一方、認知度向上や初期投資などの課題もあります。しかし、課題を克服すれば、強力な競争力をもつビジネスを構築可能です。
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  • 詳細情報表示などの展示機能
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