ライブコマースとは?メリット・デメリット、向いている商品、事例などを解説
- 2024.08.19
- EC
近年、オンライン の新たな販売手法として注目を集めるのが、ライブコマースです。
ライブ配信を活用して商品紹介・販売を行うライブコマースを活用すれば、効果的にユーザーへ商品を紹介できる上、売上拡大などの成果につなげることができます 。
今回はライブコマースのメリット・デメリットや、向いている商品・事例を解説します。ライブコマースを活用し、売上拡大などの成果につなげましょう。
ライブコマースとは
ライブコマースとは、インターネット上でリアルタイムの動画配信を行いながら、商品を販売する新しい形式のEコマースです。視聴者は、ライブ配信を見ながら商品について詳しい説明を聞き、その場で購入することができます。
ライブコマースは特に中国で大きな成功を収めており、現在では一般的な買い物の手段として定着しています。ライブ配信者が商品のデモンストレーションを行い、視聴者からの質問にリアルタイムで答えられる点が特徴です。従来のオンラインショッピングよりも臨場感のある購買体験を提供することができます。
ライブコマースの魅力は、視聴者とのインタラクティブなコミュニケーションができる点です。商品の特徴・使い方をより詳しく理解できるため、購入の意思決定がスムーズになります。限定セールやタイムセールなどのイベントと組み合わせれば、購買意欲を高める効果も期待できます。
ライブコマースのメリット・デメリット
ライブコマースは革新的な販売手法として注目を集めていますが、ほかのビジネスモデルと同様に、メリットとデメリットがあります。以下では、ライブコマースのメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。上記を理解すれば、ライブコマースを効果的に活用するための戦略を立てる助けとなります。
ライブコマースのメリット
ライブコマースには、従来のEコマースにはない独自の利点があります。以下に主要なメリットを紹介します。
1.立体的に商品を閲覧できる
ライブ配信映像を通じて商品を紹介すれば、顧客は商品をより立体的かつリアルタイムで理解できます。静止画や文字による説明だけでは伝わりにくい商品の質感・サイズ感・使用感などを視覚的に伝えることが可能です。
2.双方向にコミュニケーションができる
ライブコマースの大きな特徴は、配信者と視聴者が相互にコミュニケーションを取れる点にあります。視聴者は商品について気になる点をその場で質問でき、配信者は即座に回答できる。顧客の疑問や不安を解消し、購入に対する障壁を取り除く効果が期待できます。
3.インフルエンサーマーケティングと親和性が高い
人気のインフルエンサーがライブ配信を行えば、影響力を直接的に販売に結びつけることができます。インフルエンサーのフォロワーは、すでに人物に対して信頼感を持っているため、紹介される商品にも好意的な反応を示しやすくなりブランドや商品の認知度を高め、新たな顧客層を効率的に獲得することが可能です。
ライブコマースのデメリット
ライブコマースには多くの利点がある一方で、いくつかの課題も存在します。以下に主要なデメリットを記載します。
1.集客が難しい
効果的な告知方法の確立やライブコマースの認知度向上が課題です。特に、新規参入者や小規模事業者にとっては、大きな視聴者数を確保することが困難な場合があります。また、配信時間帯や競合他社の同時配信なども考慮する必要があり、戦略的なアプローチが求められます。
2.コンテンツ品質を十分に高める必要がある
ライブコマースでは、配信の内容が直接的に売上に影響します。十分な準備なしに配信を行うと、商品の魅力を適切に伝えられないだけでなく、ブランドイメージを損なう可能性があります。
3.技術的トラブルへの対策が必要になる
サーバーダウンや機材トラブルなどが発生すると、せっかく集めた視聴者を失うだけでなく、ブランドの信頼性にも影響を与える可能性があります。安定した通信環境の確保・バックアップ機材の準備・トラブル時の対応マニュアルの作成など、万全の体制を整えることが必要です。
ライブコマースに向いている商品
ライブコマースは、あらゆる商品カテゴリーに適しているわけではありません。一部の商品は、ライブコマースの販売が特に成功しやすい傾向にあります。一方で、ライブ形式での販売が難しい商品も存在します。
ここからは、ライブコマースが特に効果的な商品カテゴリーについて詳しく見ていきましょう。下記の商品群は、ライブ配信の特性を最大限に活かし、消費者の購買意欲を高める可能性が高いものです。
アパレル製品
アパレル製品は、ライブコマースが最も適している商品カテゴリーの1つです。衣料品やファッションアイテムは着用感・素材の質感・サイズ感など、実際に見て触れることで初めて分かる要素が多いです。よって、従来のEコマースでは消費者の不安を完全に解消するのが難しいものでした。
ライブコマースではモデルが実際に商品を着用し、さまざまな角度から見てもらうことができます。たとえばドレスの場合、歩いたときのシルエットの変化・生地の光沢感などをリアルタイムで視聴者に伝えることが可能です。
また、視聴者からの質問に即座に答えられるため、「この服は体型カバーに効果がありますか?」「洗濯後の縮みはどうですか?」などの具体的な疑問にも対応できます。
さらに、コーディネートの提案やスタイリングのコツなどもライブ配信中にデモンストレーションすれば、消費者の購買意欲を刺激することができます。
実店舗で店員さんに相談しながら購入する体験に非常に近く、オンラインショッピングの弱点を大きく補完するものです。結果として、アパレル製品のライブコマースは返品率の低下・カスタマーサービスの負担軽減にもつながります。
化粧品
化粧品もまた、ライブコマースが非常に効果的なカテゴリーです。美容製品は個人の肌質や好みに大きく左右されるため、従来のオンラインショッピングでは消費者の不安を完全に解消することが難しいものでした。
ライブコマースでは、実際の使用感・テクスチャー・発色などをリアルタイムで視聴者に伝えられます。たとえば、ファンデーションの場合、配信者が実際に顔に塗布してカバー力や仕上がりの様子を即座に示すことが可能です。異なる肌色や肌質のモデルに同じ製品を使用すれば、幅広い視聴者に適した情報を提供できます。
また、メイクアップ・スキンケアのデモンストレーションを行い、単なる商品紹介にとどまらず視聴者に価値ある情報を提供できる点もメリットです。ブランドへの信頼度を高め、長期的な顧客関係の構築にも貢献します。
食品
食品もライブコマースに非常に適した商品カテゴリーの1つです。食品は味・香り・食感など実際に体験しないと分からない要素が多く、従来のEコマースでは十分に魅力を伝えきれないケースがありました。
ライブコマースでは商品を単に紹介するだけでなく、実際の調理過程や食べる様子をリアルタイムで視聴者に見せられます。たとえば、冷凍食品の場合、解凍から調理・盛り付けまでの全過程を示し、「どのくらいの時間で食べられるようになるのか」「どの程度手間がかかるのか」を視覚的に伝えられます。
また、料理のプロ・食品開発者が出演し、食品を使ったアレンジレシピ・ほかの食材との組み合わせ方などを提案することも可能です。視聴者は自分の生活にどのように取り入れられるかをイメージしやすくなります。
ライブコマースの成功事例
ライブコマースの成功事例として、以下の3つを紹介します。
- ライブコマースで自社商品の着こなしを紹介
- 専門スタッフが自社商品を使用してメイクを実践
- 自社商品の認知度向上を図る大手百貨店の事例
ライブコマースを導入する際は、上記事例を参考にしてください。
ライブコマースで自社商品の着こなしを紹介
大手アパレルメーカーのライブコマース事例です。スタッフが自社で販売する衣服を実際に試着しながら、ファッションのポイント・商品解説を行います。ライブコマース実施中に気になる点をコメントで随時質問でき、気に入った商品をECサイト・アプリ内から購入することができます。
ライブコマースの接点としてECサイト・2種類のアプリを活用し、多くのユーザーにアプローチしている点も特徴です。パーソナルカラー診断も実施しており、診断結果ごとにユーザーにあった商品提案もライブコマース内で行っています。
専門スタッフが自社商品を使用してメイクを実践
大手化粧品メーカーのライブコマース成功事例です。ビューティーコンサルタント・メイクアップアーティストなどの専門家が自社商品を使用し、実際にメイクを実践する内容となっています。
メイク時のポイント・化粧品の選び方などをライブコマース内で紹介してくれるため、幅広い女性の悩みに答えるコンテンツです。ライブコマースの集客方法として、ライブ配信者限定のクーポンを発行する方法を採用し、多くの視聴者を獲得しています。
自社商品の認知度向上を図る大手百貨店の事例
大手百貨店のライブコマース成功事例です。2019年からライブコマースを導入しており、百貨店で取り扱う商品ごとにテーマを定めて実施しています。
「日本各地の名産品を使ったお中元商品」「美術館・博物館とのコラボギフト」など、自社のオリジナル商品を中心に製造過程でのエピソードを交えて商品を紹介するのが特徴です。人気芸人とのコラボ企画も行い、自社で取り扱うトレーニングマシーンを紹介するなど幅広い企画をライブコマースで実施しています。
ライブコマースの始め方
ライブコマースは魅力的な販売チャネルですが、効果的に活用するためには適切な準備と戦略が不可欠です。実際にライブコマースを始めるにはどうしたらよいのでしょうか?以下では、ライブコマースを始める流れについてポイントをいくつか詳しく見ていきましょう。
プラットフォームを選定する
ライブコマースを始める上で最初に行うべきは、適切なプラットフォームの選定です。商品の特性・対象顧客層に合わせて、最適な配信プラットフォームを選ぶのが重要です。
選定のポイントとしては、まず視聴者数・ユーザー層を考慮する必要があります。たとえば、若年層をターゲットにする場合はTikTok・Instagramが適している可能性が高いです。幅広い年齢層にアプローチしたい場合は、YouTube・Facebookが選択肢となります。
また、各プラットフォームの機能や特徴も重要な選定基準です。たとえば、インタラクティブ性を重視する場合は、コメント機能や「いいね」ボタンなどのリアルタイムフィードバック機能が充実しているプラットフォームを選びましょう。ライブコマース中に商品の直接販売を行いたい場合は、ショッピング機能が備わっているプラットフォームが適しています。
配信の内容をしっかりと練る
ライブコマースの成功には、綿密な計画と準備が不可欠です。配信の内容は、脚本レベルで詳細に決めておく必要があります。限られた時間内で効果的に商品をアピールし、視聴者の興味を維持するためには、しっかりとした構成が重要です。
まず、配信の全体的な流れを決めましょう。導入部分で視聴者の注目を集め、商品紹介・デモンストレーション・Q&Aセッションなど、各セクションにどれくらいの時間を割り当てるかを決定します。
次に、各セクションの具体的な内容を詳細に決めます。「商品の特徴・セールスポイントをどのように伝えるか」「どのような順序で説明するか」などを細かく決めておきます。また、視覚的な要素(商品の見せ方、画面の切り替えなど)についても計画を立てておきましょう。
ライブ配信の醍醐味はリアルタイムでのコミュニケーションにあります。視聴者からのコメントを適切に拾い上げ、応答する時間を設けておくのも大切です。視聴者との双方向のコミュニケーションが生まれ、より魅力的な配信になります。
配信者を選定する
ライブコマースの成功において、配信者の選定は非常に重要な要素です。適切な配信者を選べば商品の魅力を最大限に引き出し、視聴者との効果的なコミュニケーションを図れます。
まず、配信経験は重要な選定基準の1つです。ライブ配信は予期せぬ事態が発生する可能性が高く、適切に対応できる経験・スキルが求められます。カメラの前で自然に振る舞い、視聴者のコメントを即座に拾い上げて対応できる能力は、ある程度の経験がないと身につきません。
また、商品知識も重要な要素です。配信者は商品の特徴や利点を詳しく説明できる必要があります。視聴者からの質問に的確に答えられれば信頼性が高まり、購買意欲の向上につながります。
まとめ
ライブコマースは、リアルタイム配信を通じて商品を販売する革新的な手法です。立体的な商品理解・双方向コミュニケーション・インフルエンサー活用など、多くのメリットがあります。アパレル・化粧品・食品などが特に相性が良く、効果的な販売が期待できます。
始める際は、適切なプラットフォーム選定・綿密な配信計画・適任の配信者選択が重要です。
ただし、集客の難しさやコンテンツ品質の維持など、課題もあります。
なお、ライブコマースの実施には「Omni-Base for DIGITAL'ATELIER」の利用もおすすめです。「Omni-Base for DIGITAL'ATELIER」は、ECサイトの効率的な運営をサポートする総合支援型ツールです。
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