EC事業・ECサイトの立ち上げ方。メリット、流れ、成功させるポイントを解説!

  • 2024.10.07
  • EC

コロナ禍の影響もあり、インターネットを中心とした消費行動が増える中、多くの企業がEC事業へ参入しています。EC事業を立ち上げたいと考えても、具体的に何をすべきか迷う企業も多いでしょう。
EC事業の立ち上げには、事業計画の作成・プラットフォームの選定などいくつかのステップを踏む必要があります。EC事業の立ち上げ後も、ユーザーエクスペリエンスの最適化など継続した施策の実施が必要です。
今回は、EC事業・ECサイトの立ち上げ方についてメリット・流れ・成功させるポイントを解説します。

EC事業とは

EC事業とは、インターネットを活用した新しいビジネスモデルです。ECはElectronic Commerceの略で、電子商取引を意味します。具体的には、オンライン上で商品やサービスの売買を行う商取引です。
近年、スマートフォンの普及・デジタル技術の進化により、EC市場は急速に拡大しています。消費者にとっては、時間や場所の制約なく買い物ができる便利さが魅力です。企業側も実店舗を持たずに商品を販売できるため、コスト削減やグローバル展開が可能になります。
EC事業はBtoC(企業対個人)やBtoB(企業間取引)などさまざまな形態があり、今後さらなる成長が期待されています。

EC事業を展開するメリット

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EC事業の基本概念を理解したところで、実際にEC事業を展開するメリットについて詳しく見ていきましょう。オンラインでビジネスを展開すれば、従来の実店舗ビジネスとは異なる多くの利点が得られます。以下では、EC事業展開の主な3つのメリットについて解説します。

実店舗に比べ初期コストが削減できる

EC事業の最大の利点は、実店舗と比較して大幅に初期コストを削減できる点です。実店舗を立ち上げる場合、店舗の賃貸料・内装費・設備投資・従業員の雇用など多額の初期投資が必要です。EC事業では物理的な店舗スペースが不要であるため、最小限の人員で運営ができます。
ウェブサイトの構築やオンライン決済システムの導入など一定のコストは発生しますが、実店舗の立ち上げに比べれば大幅にコストが抑えられます。在庫管理も効率的に行えるため、在庫保管のためのスペースコストも削減可能です。初期コストの少なさで新規参入のハードルが下がるため、小規模な事業者でもビジネスを始めやすいのが大きな魅力といえるでしょう。

場所や時間が限定されない

EC事業の大きなメリットは、ビジネスの展開に場所や時間の制約がない点です。実店舗では営業時間や立地によって顧客が限定されます。
しかし、インターネットを通じた販売では24時間365日、顧客はいつでもどこからでも商品を購入できます。仕事で日中が忙しい人や遠方に住む人など、従来の実店舗では接触しづらかった顧客層にもアプローチが可能です。
さらに、EC事業では地理的な制約も大幅に緩和されます。適切な物流システムを整備すれば国内全域はもちろん、海外にも容易に事業を拡大可能です。
グローバル市場への展開を可能にし、ビジネスの成長機会を大きく広げます。多言語対応や現地決済システムの導入など、課題はありますが、世界中の顧客にアプローチできる可能性が開けます。

新しい商材への挑戦が行いやすい

EC事業の大きなメリットは、新しい商材やビジネスモデルへの挑戦が比較的容易に行える点です。EC事業は実店舗に比べて初期コストが低く、場所や時間の制約も少ないです。そのため、新商品の導入や新しい市場参入へのハードルが下がります。
たとえば、ニッチな商品を扱う場合、実店舗では採算が取れない可能性があります。EC事業では、より広い顧客層にアプローチできるため、ニッチな商品でも売上をあげやすいです。
また、商品ラインナップの拡大や変更も実店舗に比べて柔軟に行えます。在庫リスクを最小限に抑えながら、市場の反応を見られるのも大きな利点です。

EC事業・ECサイトを立ち上げる際の流れ

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EC事業には多くのメリットがあることが分かりました。では、実際にEC事業やECサイトを立ち上げる際の具体的な流れについて見ていきましょう。
成功するEC事業を展開するためには、綿密な準備と計画が不可欠です。以下では、EC事業立ち上げの主要な3つのステップについて詳しく解説します。

事業計画の作成

EC事業を成功させるための第一歩は、綿密な事業計画の作成です。ECで展開する事業内容と提供価値を明確に定義し、具体的な売上目標などの数値目標を設定します。
事業計画は投資家や金融機関への説明資料としても活用できるため、資金調達の際にも重要な役割を果たします。事業の進捗を測る基準としても機能するため、定期的な見直しも必要となります。

プラットフォームの選定

事業計画が固まったら、次は計画を実現するためのプラットフォームを選定します。ECビジネスを展開するプラットフォームには大きく分けて、既存のECモールに出店する方法と自社でECサイトを構築する方法があります。
それぞれのメリット・デメリットを考慮したうえで、自社の事業計画に最適なプラットフォームを選ぶのが重要です。ECモールへの出店と自社ECサイトの構築のメリット・デメリットは、以下のとおりです。

メリット デメリット
ECモールへの出店
  • 初期投資が少なく、すぐに始められる
  • 既存の顧客基盤を活用できる
  • 決済システムなどのインフラが整っている
  • 手数料がかかる
  • ブランディングに制限がある
  • ほかの出店者との競争が激しい
自社ECサイトの構築
  • ブランディングの自由度が高い
  • 顧客データを直接管理できる
  • 手数料がかからない(決済手数料を除く)
  • 初期投資と運用コストが高い
  • 集客に時間とコストがかかる
  • セキュリティ対策など、技術的な課題に自社で対応する必要がある

ECサイト構築に関わるECシステムの詳細は、以下の記事でも解説しているため、気になる方はチェックしてください。

関連記事:ECシステムは何を選べば良い?それぞれのメリット・デメリットから見極める

支払い方法の設定

最後に、ECサイトで提供する決済方法を選定します。適切な決済方法を用意するのは、顧客の利便性を高めて購入率の向上につながる重要な要素です。
決済方法の選定にあたっては、ターゲット顧客や商品の特性・自社の運用体制を考慮する必要があります。主な決済方法は、以下のとおりです。

  • クレジットカード決済
  • 銀行振込
  • コンビニ決済
  • 電子マネー
  • PayPay、LINE Payなどのスマホ決済

複数の決済方法を提供すれば、より多くの顧客ニーズに対応できます。しかし、各決済方法には手数料やシステム連携のコストがかかる点に注意が必要です。
決済方法の選定は、顧客の利便性と自社の運用コストのバランスを考慮しながら行いましょう。定期的に利用状況を分析して、最適化を図るのが大切です。

ECサイトを成功させるためのポイント

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ECサイトの立ち上げ後、持続的な成功を実現するためには継続的な改善と最適化が不可欠です。ECサイトを成功に導くための重要なポイントについて詳しく解説します。

ユーザーエクスペリエンスの最適化

ECサイトの成功において、ユーザーエクスペリエンス(UX)の最適化は極めて重要です。顧客がサイトを利用する際に得られる体験を最高のものにすれば、購買率の向上やリピート顧客の獲得につながります。実店舗での買い物体験に近づけるため、以下のような要素をECサイトに取り入れましょう。

1.視覚的な情報の充実

高品質な商品画像・360度ビュー・動画などを活用し、実際に商品を手に取っているかのような感覚をECサイト上で提供します。

2.詳細な商品情報の提供

サイズ・重量・材質・使用方法など、できるだけ詳細な商品情報を提供することが求められます。実店舗では直接確認できる情報を、オンライン上でも漏れなく提供することが重要です。

3.SEO対策の実施

ECサイトの成功には、SEO対策が極めて重要な役割を果たします。SEO対策とは、検索エンジン上で自社ECサイトを検索結果上位に表示させるための対策です。
SEO対策を実施すれば、検索エンジンで自社ECサイトがより多く表示されるようになります。結果として、より多くの潜在顧客へのリーチが可能です。
ただし、SEOは成果を出すために継続的な取り組みが必要となります。検索エンジンのアルゴリズム変更や市場トレンドに合わせて常に戦略を見直し、最適化していくのが重要です。

EC事業の立ち上げ時の注意点や課題

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EC事業の立ち上げは魅力的な機会を提供しますが、同時に多くの課題も伴います。以下では、EC事業を始める際に直面する可能性のある主要な課題と注意点について詳しく解説します。適切な対策を講じれば、より円滑な事業立ち上げと運営が可能です。

運用コストの課題

ECサイトの運営には、多岐にわたるコストが発生します。立ち上げ時に選定したプラットフォームの利用料だけでなく、配送費・販促費・在庫管理費など、さまざまな運用コストを適切に管理しなければなりません。コストを抑えるためには、以下のような施策の実施が必要です。

1.最適なプラットフォームの選択

利用頻度や必要な機能に応じて、最適なプランを選択します。初期段階では必要最小限の機能から始め、事業の成長に合わせてアップグレードすれば、不要なコストを抑えられます。

2.在庫管理の効率化

在庫管理システムを導入し、需要予測の精度を高めて適切な在庫水準を維持することで、在庫管理コストを最小化できます。

ただし、コスト削減が顧客満足度の低下につながらないよう、サービス提供とのバランスを取ることが重要です。

物流面の課題

EC市場の急速な成長に伴い、物流面での課題が顕在化しています。配達需要の増加に対して配送インフラや管理倉庫の拡充が追いついておらず、人材不足も深刻化しています。
顧客のサービス期待値は年々高まっており、配送スピード・正確性・柔軟性など多様なニーズに応えなければなりません。
上記のような状況下で、コスト・スピード・サービス品質の間で適切なバランスを取ることが重要な課題です。具体的な対策としては、以下があげられます。

1.複数の配送業者の活用

単一の配送業者に依存せず、複数の業者を活用して配送の安定性を高めつつコストの最適化を図ります。

2.梱包の最適化

商品の特性に応じた適切な梱包材の選択と梱包サイズの最適化により、配送コストの削減と環境負荷の軽減を実現します。

3.集客・販促面における課題

EC市場の拡大に伴い、競合も激化しています。そのため、効果的な集客と販促活動が事業成功の鍵です。
しかし、競合との差別化やマーケティング施策の実施には多くの課題があります。以下、集客・販促面における主な課題と対策です。

集客・販促面における課題 対策
類似商品を扱う競合が多い中で、自社の独自性をアピールすることが難しい。 独自の商品ラインナップ・ユニークなブランドストーリーなど、自社の強みを明確にし、前面に打ち出す戦略を立てる。
新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客の維持と再購入の促進が難しい。 顧客ごとに内容を最適化したメールマーケティング・アフターサービスの充実などを通じて、顧客との長期的な関係構築を図る。
オンラインとオフラインの顧客体験の一貫性を実施できていない。 実店舗との連携やSNS・メールマーケティングなど、複数のチャネルを統合的に活用し、シームレスな顧客体験を提供する。

課題に対して自社の状況や目標に応じた適切な対策を講じれば、効果的な集客と販促活動を実現して競争力のあるEC事業の展開が可能です。常に市場動向や顧客ニーズの変化に注意を払い、柔軟に戦略を調整しましょう。

まとめ

EC事業の成功には、綿密な事業計画と計画に即したプラットフォーム選定が不可欠です。運用コストや物流、集客・販促など、さまざまな課題に直面しますが、適切な戦略と工夫により克服できます。
上記の点において、EC事業の業務を総合的にサポートできるシステム「Omni-Base for DIGITAL'ATELIER」は魅力的な選択肢です。受注管理や仕入~出荷におよぶバックオフィス機能などEC事業運営に必要な基本機能を備えつつ、外部サービスとの連携も可能です。
初期投資を抑えながら将来の拡張性も確保できるため、EC事業の立ち上げと成長をバランス良くサポートします。EC事業の立ち上げをスムーズに行いたい場合は、「Omni-Base for DIGITAL'ATELIER」がおすすめです。
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