ECサイトにおける内部リンクの重要性と具体的な設置方法を解説
- 2025.06.09
- EC

ECサイトのSEO対策に取り組む中で、「内部リンクって本当に効果があるの?」と疑問をもつ担当者も多いでしょう。実は、内部リンクはユーザーの利便性を高めるだけでなく、検索エンジンにもWebサイト構造を伝える重要な要素です。そのため、適切な方法で内部リンクを設置すれば、ECサイトのSEOにおける評価も向上します。
ECサイトのSEO対策の全10回連載の第4回目となる本記事では、SEO効果を最大化する内部リンクの設置ポイントや具体的な活用例をわかりやすく解説します。
内部リンクとは関連するWebサイトの中のページをつなぐこと
内部リンクとは、同一のWebサイト内でページ同士をつなぐリンクのことを指します。内部リンクを設置するとユーザーはWebサイト内をスムーズに回遊でき、関連情報へ容易にアクセスできるため、利便性が向上します。
内部リンクは検索エンジンのクローラーがWebサイト内を効率的に巡回する手助けにもなる点もメリットです。そのため、ECサイトにおける新しいページのインデックスが促進されてSEO効果が期待できます。
また、関連性の高いページ同士を内部リンクで結ぶことで、Webサイト全体の構造が明確になって検索エンジンからの評価も向上します。
内部リンクによる主に3つのSEOの効果
内部リンクを適切に設置すれば、検索エンジンの評価向上やユーザー体験の改善につながります。以下に、内部リンクがもたらす主な3つのSEO効果を詳しく紹介します。
1.クローラーがWebサイト内を巡回しやすくなる
内部リンク設置のメリットの一つに、クローラー(※)がWebサイト内を巡回しやすくなるという点が挙げられます。検索エンジンのクローラーは、Webページ間のリンクをたどって情報を収集します。そのため、Webサイト内のページ同士が適切にリンクされていると、クローラーの巡回を促進してページのインデックス登録をスムーズにできます。
また内部リンクを設置することで、クローラーがWebサイト内の構造を把握しやすくなり、また利用ユーザーは重要なページへアクセスしやすくなります。これによって、検索エンジンにWebサイト全体の情報が正確に伝わり、SEO効果が期待できます。特に、新しく追加したページや更新したコンテンツに内部リンクを設ければ、クローラーが迅速にページを認識して検索結果への反映が早まります。
※クローラーとは、Webサイトを巡回して情報を収集するロボットであり、ディレクトリ構造をもとに各ページの情報を理解してインデックスに登録する作業をおこなうロボット
2.ユーザーが求めるページを見つけやすくする
ユーザーが求めるページを見つけやすくする点も、内部リンク設置のメリットです。関連性の高いページ同士をリンクで結べば、ユーザーは必要な情報について順を追って効率的に探し出せます。
例えば、あるトピックに関する記事を読んでいる際に、関連するほかの記事へのリンクが設置されていれば、ユーザーは追加の情報を容易に得られます。結果として、Webサイト内での回遊率が向上します。これにより、ユーザーの滞在時間が増え、直帰率が低下するため、SEO評価の向上にもつながるのです。
また、パンくずリストやナビゲーションメニューに内部リンクを組み込めば、ユーザーが現在の位置を把握しやすくなり、目的のページへのアクセスがスムーズになります。
3.Webサイトの滞在時間が増える
内部リンクを適切に設置することで、ユーザーが複数のページを閲覧する可能性が高まり、Webサイトの滞在時間が増加するメリットがあります。滞在時間の増加は検索エンジンにとってユーザーがWebサイトに興味を持っていると判断する指標となり、SEO評価の向上につながります。
例えば、記事内で関連するほかの記事へのリンクを設ければ、ユーザーは次々と興味のあるコンテンツを閲覧し、自然とWebサイト内での滞在時間が延びます。
内部リンクを設置する3つのポイント
内部リンクの設置でSEOの効果を高めるための3つの重要なポイントをご紹介します。
1.関連度の高いページ同士に設置する
内部リンクを設置する際は、リンク元とリンク先のページが内容的に関連していることが重要です。関連性の高いページ同士をリンクすれば、ユーザーは必要な情報を効率的に取得できてWebサイト内の回遊性が向上します。
一方で、全く関係のないページ同士をリンクするとユーザーは混乱し、求めていた情報にたどり着けないおそれがあります。結果としてユーザー体験の低下につながり、Webサイトの評価にも悪影響を及ぼす可能性が高いです。
また、検索エンジンのクローラーもページ間の関連性を評価する際に内部リンクを参考にします。関連性の低いリンクが多いとWebサイトの専門性における評価が低くなり、SEO評価が下がる可能性があります。したがって、内部リンクは内容の関連性を重視してユーザーと検索エンジンの双方にとって有益なリンク設計を心がけましょう。
2.リンクテキストはリンク先ページの内容がわかるものにする
内部リンクのテキスト(アンカーテキスト)は、リンク先の内容を明確に伝えるものにしましょう。「詳しくはこちら」や「クリック」などの汎用的な表現ではなく、リンク先の具体的な内容を示すテキストを使用するのがおすすめです。
例えば「SEO対策の基本を学ぶ」や「内部リンクの設置方法について詳しく解説」など、リンク先の情報が一目でわかる表現が望ましいです。具体的なテキスト表現であれば、ユーザーはリンクをクリックする前にどのような情報が得られるのかを把握できます。
また、検索エンジンもリンクテキストを参考にしてリンク先ページの内容を理解します。適切なリンクテキストを使用すれば、検索エンジンに対してもページの内容を正確に伝えられてSEO効果が高まる点も大きなメリットです。さらに、リンクテキストにユーザーが得られる体験やメリットを記載するとクリック率の向上が期待でき、Webサイト内の回遊性を高められます。
3.適切な場所に設置をする
内部リンクを設置する際にはユーザーの利便性とSEO効果を最大化するために、適切な場所を選定する必要があります。以下に、内部リンクの代表的な設置箇所と役割について解説します。
グローバルナビゲーション
グローバルナビゲーションとはWebサイト全体の主要なコンテンツへのリンクをまとめたメニューで、全ページに共通して設置されます。ユーザーが目的のページに迅速にアクセスできるようにするため、Webサイトの上部(ヘッダー)に配置されるケースが一般的です。
グローバルナビゲーションには、「ホーム」「サービス」「お問い合わせ」などユーザーが頻繁に利用するページへのリンクを含めることが望ましいです。また、リンクの数は7個程度に抑え、簡潔でわかりやすいメニュー構成にするとユーザーの利便性が向上します。
パンくずリスト
パンくずリストはユーザーが現在閲覧しているページの位置を示すナビゲーションで、通常はページの上部に配置されます。具体的には、「ホーム > カテゴリ > サブカテゴリ > 現在のページ」といった形式で階層構造を視覚的に表現します。パンくずリストにリンクを設置すれば、ユーザーは上位階層のページに簡単に戻れるため、Webサイト内の回遊性が高まる点がメリットです。
コンテンツページ
コンテンツページ内に関連性の高いページやユーザーに閲覧してほしいページへの内部リンクを設置することは、内部リンク施策の基本です。記事の本文中や文末に関連する情報へのリンクを自然な形で組み込めば、ユーザーの興味を引き続けてWebサイト内の回遊性を高められます。たとえば、あるトピックに関する記事を読んでいるユーザーに対して、より詳しい情報や関連する事例へのリンクを提供すると満足度が向上します。
フッターリンク
フッターリンクはWebサイトの最下部に設置される内部リンクで、Webサイト全体の補助的なナビゲーションとして機能します。グローバルナビゲーションに加えて、さらに詳細な情報や下位階層へのリンクを提供すれば、ユーザーの利便性が向上する点がメリットです。
例えば、「会社情報」「プライバシーポリシー」「お問い合わせ」への内部リンクは、ユーザーがWebサイトの信頼性や運営者情報を確認したい場合に役立ちます。
内部リンクを適切に設定してSEO効果を高めましょう
内部リンクを適切に設置すればSEO効果を高められるため、ユーザーがスムーズに情報へアクセスできるようなリンク構造を設計しましょう。そのためには、「ユーザーが何を求め、どのような行動をとるか」を理解しなければなりません。
リンク先が的確であれば、Webサイト内の回遊性や滞在時間の向上にもつながるうえ、クローラーにも構造が伝わりやすくなって検索エンジンからの評価も高まります。ユーザーと検索エンジンの双方を意識したリンク設計を行い、効果的なSEO施策を実施しましょう。