【ECサイトのSEO対策】ページネーションを正しく理解し、効果的に活用しよう!
- 2025.07.09
- EC

大量の商品や情報を掲載するECサイトでは、ユーザーが目的の情報にたどり着くまでにストレスを感じることがあります。このような課題に対して効果を発揮するのが、情報量の多いページを複数に分割して表示する「ページネーション」です。
ページネーションを適切に設定するとユーザビリティの向上だけでなくSEO効果まで期待できます。
ECサイトのSEO対策の全10回連載の第7回目となる本記事ではECサイトにおけるページネーションの基本からメリット・設定時の注意点までわかりやすく解説します。本記事を読めば、ページネーションの設定に必要な知識を身に付け、自社サイトへの実装に役立てることができます。
ページネーションとは要素の多いページを分割すること
ページネーションとは同じ種類の要素が多く並ぶページを複数ページに分割し、ページ番号や「次へ」リンクで続く要素のページに誘導する処理です。ページネーションの機能により、商品一覧やニュースのリストなど情報量が多いコンテンツを見やすく整理できます。
また、ページを分割すると各ページの表示速度が速まり、ユーザーの離脱を防げるうえ、ページの表示回数や回遊率の向上にもつながってSEOの間接的な効果も期待されます。ただし、ユーザーがページをまたぐのに手間を感じないよう、1ページあたりの表示件数やリンク構成は工夫が必要です。
ページネーションの必要性とメリットやSEO効果
ページネーションがなぜ必要なのか、設定によって得られるメリットとSEO効果について以下の2点から解説します。
- ユーザビリティが向上する
- 分割されていても1つのまとまりのコンテンツとして認識される
特に、SEO効果に関してはメリットが大きいため、ページネーションを積極的に導入しましょう。
ユーザビリティが向上する
ページネーション導入の最も大きなメリットは、ユーザビリティが向上する点です。ページネーションを導入すると、情報量が多いページでも1ページあたりの表示量を制限できるため、読み込み時間の短縮に直結します。
ユーザーは必要な情報だけをすばやく読み込めるようになり、「待たされる不快感」を感じにくくなってストレスなく次のコンテンツに進めます。ただし、単にページネーションを設置するだけでは不十分で、適切な表示件数の設定やリンク設計、クリックしやすいUI構成を整えるなどの工夫が必要です。
分割されていても1つのまとまりのコンテンツとして認識される
ページを分割してもページネーションとして適切にリンクさせることで、1つのまとまったコンテンツとして認識させられます。ページ間に「次へ」「前へ」や数字リンクを設置すると、ユーザーはコンテンツの流れを自然に追えます。
また、SEOの観点からも検索エンジンが各ページを関連づけて評価できるようになるため、分割前後のコンテンツをまとめて評価しやすくなる点もメリットです。結果として、被リンクの分散を防ぎ、内容のまとまりとしてサイト全体の評価向上に寄与します。
ページネーション設定の注意点
効果的にページネーションを活用するためには、SEOやユーザビリティ観点から留意すべき以下のポイントがあります。
- 適切なコンテンツ量でページを分割する
- URLを適切に設定する
- next,prevタグを設定する
- 自己参照のcannonicalを設定する
ページネーションを設定する際は、上記のポイントに注意して作業を進めてください。
適切なコンテンツ量でページを分割する
ページネーションを設定する際は、適切なコンテンツ量でページを分割しましょう。ページごとに取り扱うコンテンツ量は、表示速度と操作感に大きく影響します。少なすぎるとページ移動が頻繁となりユーザーに負担がかかり、逆に多すぎると読み込み遅延や圧迫感で離脱を招きます。
そのため、商品一覧などをコンテンツとして表示させる場合は1ページあたりに表示する件数を10〜20件程度に抑えましょう。特に、画像やレビューが含まれる場合は項目サイズに応じて1ページあたりの表示数を調整し、快適な表示速度と視認性を両立させます。サイト設計段階ではスクロール量やクリック頻度を実際に試し、設計どおりのユーザー体験が実現できているか確認してください。
URLを適切に設定する
ページネーションを導入する際は、URLを適切に設定しましょう。ページネーションでは各ページに個別のURLを付与するのが基本で、以下のように分割したページを番号順でURLをわけるのがおすすめです。
- 1ページ目:https://○○○/page/
- 2ページ目:https://○○○/page2/
- 3ページ目:https://○○○/page3/
- 4ページ目:https://○○○/page4/
- 5ページ目:https://○○○/page5/
URLをページ単位にわけることで、Googleなどのクローラーがページを認識しやすくなり、異なるページとしてインデックスされます。また、一貫性を保つURL構造を設計すれば、検索エンジンにもユーザーにもわかりやすいサイト構造が実現します。
next,prevタグを設定する
ページネーションを導入する際は、rel="next"およびrel="prev"タグの設定も検討しましょう。これらのタグは、もともとGoogleがページ間の関係を理解するための方法として活用していました。
現在はGoogle検索のランキング要素には、含まれていません。しかし、ほかの検索エンジンやブラウザでデータの読み込みを短縮するためのプリフェッチ処理に有用な場合があります。
実装はheadタグ内に前後ページへのリンクを置き、「前へ」「次へ」を明示する方法が一般的です。
自己参照のcannonicalを設定する
多くのSEO担当者が悩むcanonicalタグの扱いについては、「自己参照」が推奨されています。つまり、分割した各ページにはページ自身を「canonical」とする設定を行いましょう。この設定により、Googleはそれぞれのページを独立したコンテンツとして認識して重複扱いを避けられます。
一部では「すべてのページを1ページ目にcanonicalする」手法も議論されていますが、Googleの現在の評価方針にはそぐわないとされています。したがって、ページネーションを設定した際のcanonicalタグは、自己参照のcanonical設置が最も安全かつ効果的です。
参考:ページ分け、段階的ページ読み込み、それらの Google 検索に対する影響|Google
適切なページネーションの設定でユーザーもクローラーも利用しやすいサイトへ
ページネーションの適切な設定は、ユーザーにとっての操作性を高めるだけではありません。クローラーにとってもサイト全体の構造を理解しやすくする効果があり、URLの整理やrel="next"などの適切なタグの設定により、巡回性が大きく向上します。
一方で、ユーザビリティ向上のためにはリンク配置や件数制限にも工夫が必要で、「見やすく・わかりやすく・クリックしやすいページ構成」が理想です。
今回紹介した注意点や設定方法を押さえれば、ユーザーとクローラーの双方にとって理想的な構造が実現できます。ユーザーもクローラーも迷わずに巡回できるページネーションを意識し、自社ECサイトの利便性・SEO評価の向上につなげましょう。