【ECサイトのSEO対策】SSL化とは?その意味や仕組み、必要性を解説します
- 2025.07.23
- EC

自社ECサイトのSSL化はもう対応済みですか?SSL化は、Webサイトとブラウザ間の通信を暗号化する技術を指します。SSL化は情報漏えいなどのセキュリティリスクからECサイトを守り、安心してユーザーが利用できるようにするために必ず導入しておきたい仕組みです。また、SSL化はランキングの評価要因の1つにもなっているためSEO対策としても重要です。
ECサイトのSEO対策の全10回連載の第9回目となる本記事では、SSL化とは何かについて仕組みやメリット、対応方法までわかりやすく解説します。本記事を読めば、SSL化の内容を把握してスムーズに自社ECサイトに導入が可能です。SSL化を導入してユーザーが安心して利用できる環境を構築し、自社ECサイトの信頼性を高めましょう。
SSL化とは
SSL(Secure Sockets Layer)とは、Webサイトとブラウザ間の通信を暗号化するためにかつて使用されていた暗号化プロトコルです。
現在ではその後の規格であるTLS(Transport Layer Security)が広く汎用されており、Web上の通信安全性を担保する技術になっています。
TLSによる暗号化通信を導入すると、URLの先頭が「http://」から「https://」に変わり、ブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示されます。個人情報やクレジットカード番号など重要なデータが暗号化されて安全に送信されるため、情報漏えい・第三者によるなりすましなどを防止できます。
日本国内ではなじみのある「SSL化」で総称されるケースが多いです。
SSL化の仕組み
SSL化では、まずWebブラウザ(クライアント)がサーバーに通信を要求した際、「SSLサーバー証明書」と中に含まれる「公開鍵」を返信されます。その後、クライアントは証明書の正当性を確認し、公開鍵で暗号化した「共通鍵」(セッションキー)をサーバーに送信する流れです。上記のやり取りにより、共通鍵を使った共通鍵暗号方式で高速かつセキュリティの高い暗号通信が開始されます。
ECサイトにおけるSSL化が活用される例として、クレジットカード情報のやり取りが挙げられます。ユーザーが氏名やクレジットカード情報を入力すると解読不能な暗号に変換されてサーバーに届くため、情報漏えいの心配がありません。さらに、SSLサーバー証明書でサイト運営者が実在している点も証明されるため、フィッシングなどのなりすましからも守られます。
SSL化の必要性とそのメリット
SSL化を実施して得られるメリットは以下の3つです。
- セキュリティ強化できる
- 顧客が安心してWebサイトを利用できる
- SEO対策にも有効である
SSL化は多くのメリットがあるため、自社ECサイトには必ず導入しておきましょう。
セキュリティ強化できる
SSL化は、セキュリティを強化できる点が大きなメリットです。SSL化に対応すると通信はすべて暗号化され、ブラウザとサーバー間でやり取りされる情報を第三者による閲覧や改ざんから守られます。
たとえば、ECサイトでは氏名や住所、クレジットカード情報といった機密情報が多く扱われます。SSL化されていると上記の情報は通信経路で解読不能な形に変換され、悪意ある攻撃者による盗聴やデータ改ざんのリスクを大幅に低減することが可能です。また、SSL証明書によって「このサイトは正当な運営者が提供している」という信頼性も担保されます。
顧客が安心してWebサイトを利用できる
顧客が安心してWebサイトを利用できる点も、SSL化のメリットです。近年の主要ブラウザでは、SSL対応の有無に応じて明確な視覚的表示があります。具体的には、SSL化されたサイトでは「https://」の先頭に鍵マークが表示され、安全な通信が行われている印として顧客に伝わります。
一方、SSL未対応サイトでは「保護されていない通信」と警告され、ユーザーに不安感を与えかねません。
SSL化されていれば、視覚的に「安全」と確認できるため、サイトの信頼度を高めて問い合わせや購入といった行動を促す強い要因にもなります。
SEO対策にも有効である
SEO対策にも有効である点もSSL化を進めるメリットで、GoogleはSSL対応を検索順位の評価要因として明示しています。そのため、検索エンジン上で同等のコンテンツが表示されていた場合、SSLに対応したサイトが優遇される可能性があります。
ただし、現在では多くのサイトがSSL化済みであるため、単独で大きな順位変動をもたらすほどの要素とはなりません。それでも、今やSSL化はどのサイトも行っており、対応していないと検索結果で不利になるケースがあります。
また、SSL化によって「保護されていない通信」警告が消えるため、クリック率や離脱率の改善も期待でき、間接的にSEO効果を高める要素となりえます。
SSL化の種類や対応方法
SSL化がWebサイトに有益とわかったところで、実際にどのように対応すれば良いのでしょうか。以下では代表的なSSL証明書の種類と、無料・有料の特徴および選び方を紹介します。
独自SSL化の種類は3種類
SSLには主に以下3種類があり、認証レベルが異なるため使用目的に応じて使い分けが推奨されます。
種類 | 認証内容 | 発行時間 | おすすめ用途 |
ドメイン認証(DV SSL) | ドメイン所有権の確認のみ(例:メールやDNSで検証) | 数分~即時発行可能 | 個人サイトやブログなど |
企業認証(OV SSL) | ドメイン+企業情報の審査(登録商号や所在地など) | 1~3日 | 企業サイトや会員制サイトなど |
拡張認証(EV SSL) | OVよりもさらに厳格な審査(法人登記・電話確認など) | 5~7日 | 金融機関や大規模ECサイトなど |
基本的な暗号化はすべてのSSLで確保されているため、手軽かつ即時発行が可能なドメイン認証(DV SSL)がおすすめです。企業の信頼性強化が目的なら企業認証(OV SSL)・拡張認証(EV SSL)を検討すると良いでしょう。
無料SSLと有料SSLはどちらがいいのか
無料SSLと有料SSLの違いは、以下のように認証レベルとサポート体制にあります。
比較項目 | 無料SSL | 有料SSL |
認証レベル | ドメイン認証(DV)のみ対応でドメイン所有の自動確認で発行される簡易な証明書 | DVに加えて企業認証(OV)や拡張認証(EV)など厳格な審査が可能 |
技術サポート・保証 | 基本的にサポートはなく設定ミスやトラブル発生時はすべて自己対応 | 24時間体制のサポートがあり、万が一の際は多額の保証が付帯するケースもある |
有効期間・更新 | 90日間の短期証明書のケースが多く、更新の自動化が必須で管理の手間がかかる | 一般的に1年~2年の長期証明書で、更新頻度が少なく手続きも簡略化されており管理が容易 |
価格 | 無料で導入可能 | 数百~数千円から、内容によっては数万円 |
個人サイトや簡易的な企業サイトは無料のドメイン認証(DV SSL)で問題なく、コストや手間を最小限に抑えられます。法人サイト・会員制サイト・金融・大規模ECなど、信頼性やサポートを重視する場合は有料の企業認証(OV SSL)・拡張認証(EV SSL)を検討しましょう。
SSL化を確認する方法
ブラウザのアドレスバーに「https://...」と表示され、URL横に鍵マークがあればSSL化されていると一目でわかります。なお、SSL化されたサイトのURL横にある鍵マークを右クリックすると、「この接続は保護されています」と表示されます。
さらに「証明書は有効です」を選択すれば、証明書の発行者や有効期限、証明書の種類など詳細の確認が可能です。上記の確認方法は、SSL証明書の有効期限をチェックするのにも役立ちます。期限切れになる前に更新が必要な時期を確認できるため、更新漏れを防ぎやすいです。
SSL化をするデメリットはほとんどないので必要性を把握し対応していきましょう
SSL化を進めるにあたって、SSL証明書の費用や設定のための専門知識が必要になる点がデメリットとしてあげられます。特に、有料SSLでは証明書の取得・更新の手続きや設定ミスによるトラブルへの配慮も必要です。ただし、現在では多くのサーバー会社やCMSがSSL対応を自動化しており、導入ハードルは大幅に下がっています。
むしろSSL化は、顧客との信頼性あるWebコミュニケーションを実現する上で欠かせない必須項目です。自社サイトに最適な証明書の種類を選定し、定期的な更新管理を安心して任せられる技術パートナーの選定も検討しましょう。
なお、ECサイトのセキュリティ対策を強化したい場合は「Omni-Base for DIGITAL'ATELIER」の導入がおすすめです。「Omni-Base for DIGITAL'ATELIER」はEC事業のバックオフィス業務をトータルでサポートするシステムで、SSLの新しい規格であるTLSを採用したECサイトの構築を簡単に行えます。
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