ECサイトの分析方法とは?押さえておくべき指標と対応策について解説

  • 2025.08.25
  • EC

「ECサイトを運営しているけど、思うように売上が伸びない...」などの悩みを抱えていませんか?ECサイトの運用において重要になってくるのがサイトパフォーマンスの分析です。
本記事ではECサイトの分析がなぜ必要なのか理解したうえで、計測していきたい指標について紹介します。また計測した数値を改善に活かす手段についても紹介します。ECサイトを効果的に分析・改善し、売上拡大へとつなげてください。

ECサイトの分析の必要性

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ECサイトの分析を通じて得られるメリットは、主に以下の3点があげられます。

  • ECサイトの現状と課題がわかる
  • 業務効率化やコストの削減ができる
  • ECサイトの売上の最大化につながる

メリットが非常に大きいため、ECサイトの分析は定期的に行いましょう。

ECサイトの現状と課題がわかる

ECサイトの分析を行うことで、仮説の検証や改善施策の立案が可能になります。たとえば、以下のようなユーザーの行動履歴を可視化すれば、問題となっている導線やページを特定できます。

  • トップページのアクセスは多いのにカート投入率が低い
  • 購入が完了するまでに離脱するポイントが特定のページに集中している

今まで手探りで進めていた改善がデータに基づく課題発見に変わり、論点がクリアになって効果的な改善策を打ち出せます。

業務効率化やコストの削減ができる

ECサイト分析は売上向上だけでなく、業務運営の効率化や無駄なコストの削減にも大きく貢献します。たとえば、時間をかけて行っているコンテンツ更新やキャンペーン施策が、実際にはユーザー行動や離脱率にほとんど影響を与えていないケースが多いです。
上記のような費用対効果の低い作業を可視化し、削減や自動化が可能であると判断できれば、限られたリソースをよりインパクトの大きい施策に集中できます。また、使用されていないレポートやツールを見直し、ランニングコストを圧縮するチャンスにもなります。

ECサイトの売上の最大化につながる

ECサイト分析の最大の目的は、売上・利益に直結する施策の明確化です。訪問数やカート投入率、購入完了率などの指標を軸に「どの段階で購入のハードルが生じているのか」を洗い出すと改善すべきポイントが浮き彫りになります。
たとえば、購入ボタンの視認性や商品説明の訴求力が弱い場合、これらを改善するとコンバージョン率(CVR)が上昇して結果的に売上が増加します。また、ユーザー属性や行動パターンを解析して購入されやすいターゲット層を発見し、広告運用やレコメンド(おすすめ)の精度を高めることも可能です。

ECサイトの分析指標

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ECサイトを分析する際には、売上や利益に直結するいくつかの重要な指標があります。ここではサイト訪問数や流入経路など合計6つの観点から、「具体的にどの数値を見ていくべきか」をわかりやすく解説します。

サイト訪問数

サイト訪問数とは一定期間内にECサイトへ訪れたユーザー数を指し、「どれだけの人にサイトが届いているか」を測る指標です。なお、サイト訪問数の類似指標としてページビュー数(PV:表示回数)があります。訪問数を継続的にモニタリングすれば、集客施策の効果や季節変動などもとらえられ、どの程度の売上が見込めるのかを判断できます。
また1時間単位の訪問数・PVを把握すれば、サーバーなどのインフラ負荷を評価する上でも役立ちます。「アクセス集中時に応答遅延を起こしていないか」などもチェックでき、インフラ環境の最適化も可能です。

流入経路

流入経路は「ユーザーがどこからサイトに訪れたのか」を示す指標で、主な流入元には以下があります。

  • 自然検索(Organic Search):Googleなど検索エンジンからの流入。SEO対策の成果指標となるため、順位や検索キーワードとの関連を確認し、コンテンツ改善のきっかけになる。
  • 有料広告(CPC・ディスプレイ広告など):広告キャンペーンによる流入元。クリック単価と売上の関係を見て、ROI(投資利益率)の改善やリソース配分の変更を判断する。
  • リファラル(Referral):他サイトからのリンクによる流入。アフィリエイトや外部メディアとの連携状況を把握でき、連携効果の検証に使える。
  • SNS流入(Organic Social):X(旧: Twitter)・Instagram・TikTokなどSNS投稿経由の流入。発信内容がどれだけサイト誘導につながっているかを評価し、SNS戦略の見直しや拡充に役立つ。

上記の流入経路別にアクセスを解析すれば、「どの経路が集客に向いているか」「どこに注力すべきか」を判断でき、効率的な集客戦略を設計できます。

サイト内行動

サイト内行動とはサイトを訪問したユーザーが「サイト内でどのように振る舞っているか」を示す指標で、主に以下の項目があげられます。

  • スクロール率:ページのどの位置までスクロールして閲覧したか
  • エンゲージメント時間:ページやサイトに滞在していた時間
  • セッション数:一訪問あたり何ページ見たかを示す指標
  • 離脱ページ:ユーザーがサイトを離れる直前のページ
  • 直帰率:最初の1ページだけ見て帰った割合

上記の数字を元にECサイトの「どこに興味があるのか」「どこで迷っているか」「どこが不満か」を推測し、改善ポイントを見極められます。たとえば、スクロール率が低いのにPVは多い場合、ページ上部に重要な情報を配置する必要があるなど施策の優先順位や配置変更などが明確になります。

購入単価

購入単価とは1人のユーザーが平均していくら購入しているかを示す指標で、「総購入金額÷購入人数」で算出されます。ECサイトにおいて、単価が高い商品を扱う場合と低単価商品を扱う場合では施策の方向性も変わります。
たとえば、購入単価が低い場合はアップセルなどで単価のアップを狙わなければなりません。一方、高単価の場合は1回購入でも収益性が高く、購入ハードルを下げる仕組みを強化したほうがよいでしょう。購入単価を見ることで、購入しやすい金額帯や商品単価が現在のユーザーの許容範囲にあるかどうかを判断できます。

リピートの割合

リピート率とは、ある期間内に再度ECサイトで商品を購入したユーザーの割合です。ユーザーの定着度やロイヤルティを測る重要な指標で、「再購入ユーザー数÷全購入ユーザー数」の数式で算出します。
リピート率が極端に高い場合はリピーター向けの施策よりも、むしろ新規ユーザーの獲得に注力すべきです。一方、リピート率が低ければ、会員ポイント制の導入などユーザーの再購入を促す施策を検討しましょう。

LTV

LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)は、ユーザー1人が企業にもたらす利益の総額を示す指標で、以下の数式で算出できます。

  • LTV=平均購入単価×購入頻度×継続期間

LTVは単なる売上累積額でなく、粗利益ベースまたは純利益ベースで計算すると実際の収益性を見極めやすいです。LTVとリピート率を掛け合わせれば、「どの顧客層に時間やコストをかけて対応すべきか」を判断しやすくなります。

ECサイトを分析するためのツール

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ECサイトを効率的に改善していくには、定量的・定性的データを活用できる分析ツールの導入が不可欠です。無料で使えるツールも多く、基本的なデータ収集・分析環境を整備すれば、小規模サイトでも成果につながる改善が可能になります。以下では、導入ハードルの低い代表的な分析ツールを3つ紹介します。

Googleアナリティクス

Googleアナリティクスは、ECサイトを訪れたユーザーの行動を網羅的に可視化できる無料ツールです。各ページの閲覧数やセッション数、滞在時間・直帰率・コンバージョン率(CVR)など多岐にわたる指標を確認できます。
また、Googleアナリティクスではユーザー行動をイベント単位で測定でき、転換率の高いボトルネックになっているポイントも把握可能です。さらに、Google広告やサーチコンソールとの連携も可能で、流入経路や広告費との効果比較も手軽に実施できます。

Googleサーチコンソール

Googleサーチコンソールは、自社サイトがGoogle検索でどう見えているかを把握できる無料ツールです。具体的には、「どのキーワードで検索結果に表示され、何回クリックされたか」といった検索パフォーマンス指標を明らかにできます。また、以下のような技術的なSEO状況についても警告機能を通じてチェックできるため、検索流入の基盤を保守・改善する上では欠かせません。

  • サイトが適切にインデックス登録されているかどうか
  • モバイル対応やコアウェブバイタルへの対応状況
  • 構造化データのエラー有無

ECサイトでは「特定の商品名で検索されているのか」「コンバージョンにつながるキーワードが何か」を把握し、SEO施策の改善につなげる目的で活用できます。また、GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールを連携することで、自然検索からの流入とサイト内での行動を一度に分析することが可能となり、Googleサーチコンソールを見なくても、Googleアナリティクスで流入クエリが確認できます。

ヒートマップ

ヒートマップツールは、「ページ内でユーザーがどの箇所に注目しているか」を視覚と数値の両面で直感的に把握できるツールです。たとえば、クリックが多いポイントを赤く表示することや、マウスの動きやスクロール停止位置の追跡をすることで、ユーザーの関心度や離脱ポイントを可視化できます。ヒートマップにより、以下のようなECサイトの設計上における課題をできます。

  • ボタンやリンクが埋もれていて気付かれていない
  • 重要情報までスクロールされていない

また、Googleアナリティクスの定量分析と組み合わせ、ファネル上で離脱が多いページにヒートマップを当てて仮説検証すれば、改善する優先度も決めやすいです。

ECサイトを分析した結果の活かし方

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計測してきたデータを活かすには、単に数値を眺めるだけでなく「どこから」「何を」「どのように」改善するかの戦略立案が必要です。以下では、分析結果をもとに具体的なアクションに落とし込むためのポイントを3つ紹介します。

課題や影響の大きいページから改善する

ECサイトの最終ゴールは利益の最大化で、課題や影響の大きいページから改善しましょう。そのため、分析結果を活用する際は1つの指標だけでなく、コンバージョン率(CVR)・訪問数・購入単価など複数を掛け合わせて優先順位を判断します。たとえば、CVRが同じ2つのページがある場合、訪問数・単価が高いページのほうが改善効果は大きいです。
改善の効果を最大化するためにはユーザー流入が多く、ボトルネックになっているページから改善を着手するとよいでしょう。また、ページごとに改善後の売上を試算し、ROIが大きい施策を優先すると限られた人員・時間でも成果を出しやすくなります。

データをもとに仮説を立てて改善する

ECサイトを分析する際は、データをもとに仮説を立てて改善するようにしましょう。店舗を運営していると、過去の経験や感覚に基づいて商品の魅せ方や訴求ポイントを決めがちです。しかし、ユーザーが本当に求めているのは実際の行動データに表れているものです。
「特定の商品ページで離脱率が高い」など分析結果がでたら、ユーザーの行動傾向をもとに仮説を立てましょう。たとえば、離脱原因として「価格が分かりづらい」「レビューが見えづらい」といった具体的な仮説を設定します。
その後、改善施策を実施してA/Bテストやヒートマップで仮説を検証し、効果が見えたら正式に導入します。経験と直感だけに頼らず、数値を起点にしたPDCAを回せば、再現性の高い改善サイクルを構築できます。

ユーザーファーストに立って考える

ECサイトの分析では、ユーザーファーストに立って考える思考も忘れてはいけません。データ分析をもとに改善案がいくつも出るのは良いことですが、ユーザーにとって使いやすいかはまた別です。
利益を追求しすぎて導線を窮屈にしたり、情報を過度に詰め込みすぎたりするとユーザー体験を損ねてリピート率が低下するリスクもあります。たとえば、アプリ内で新しい導線を追加する際にはアンケートで実際の感想を聞いたり、ユーザーのフィードバックを集めたりするとよいでしょう。

分析結果をもとにECサイトを育てていきましょう

ECサイトの売上を最大化するには、データをもとに現状を正しく把握して的確な改善を重ねていくことが重要です。訪問数・流入経路・購入単価・LTVなどの指標を分析すれば、ユーザーの動きや課題が明確になります。
分析の際にGoogleアナリティクスやヒートマップなどのツールを活用すれば、ユーザーの関心や離脱ポイントも可視化しやすいです。改善においては影響の大きいページから優先し、データに基づいた仮説検証を行いながらユーザー体験を損なわないことが大切です。分析結果をもとに成果を最大化できる改善施策を実施し、ECサイトの売上を向上させましょう。

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