ECサイトのメルマガでリピート率UP!メルマガのポイント、配信方法、注意点を解説

  • 2025.09.16
  • EC

ECサイトへの訪問目的は商品の購入意思がある方だけではありません。どのような目的であっても、ECサイトに来ていただいたというチャンスを活用するためにできる施策の1つが、メルマガ施策です。
本記事ではメルマガ施策の目的や必要性。メルマガ配信の際のポイントと注意点などを紹介します。

ECサイトにおけるメルマガの必要性

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本章では、ECサイトにおけるメルマガの必要性を3つの観点から紹介します。

【メルマガの必要性①】リピーターの獲得増加とファン化

ECサイトで初めて購入した顧客に対して継続的に関係性を深めるリピーター化は、売上の安定化やブランドの認知向上に不可欠です。メルマガを活用すれば、購入後のフォローや感謝の気持ちを伝えるコンテンツを配信できます。
たとえば、「ご購入ありがとうございます!」「お気に召しましたか?」などのメッセージを送ると顧客に安心感と好印象を与えられます。さらに、「次回使えるクーポン」や「購入者限定セールのお知らせ」などの仕掛けを添えれば、顧客の再来訪を促せるでしょう。
加えて、継続的にブランドの歴史や商品開発ストーリーを配信すれば、共感を生んでファン化へと誘導できます。顧客が一度限りの購入者ではなく自社ブランドを応援してくれる人になれば、口コミやSNS拡散による新規顧客の獲得にもつながります。

【メルマガの必要性②】クロスセルやアップセルの実施

ECサイトでは1回の購入時に複数商品を提案できれば、顧客単価を効果的に上げられます。そのための施策がクロスセルやアップセルですが、メルマガを活用して展開するのは非常に有効です。
たとえば、ある商品を注文した顧客に対して「ほかの人はこういう商品も一緒に買っています」と提案すると購入意欲が高まります。また、「この商品をお持ちの方には、サイズ違いや関連アクセサリーがおすすめです」などの情報も合わせれば、自然な形で複数購入を促しやすいです。
メルマガは、定期的なコミュニケーションを通じて、顧客との信頼関係を深めることができます。「お客様のためになる情報を提供している」というスタンスにより、顧客へ不快感を与えずにクロスセル・アップセルを実現できます。

【メルマガの必要性③】顧客のLTV向上

LTV(Lifetime Value:顧客生涯価値)は、ECビジネスの中長期的な成長において最も重要な指標の1つです。メルマガ施策は、LTVの最大化に直結する強力な施策となります。
まず、定期的なコミュニケーション機会を創出できるため、顧客との関係性を継続的に育めます。たとえば、購入後のフォローや新商品・再入荷お知らせ、ブランドストーリーなどの情報を配信し、ブランドへの愛着や信頼を高めやすいです。
さらに、顧客属性や行動履歴に基づいて最適な情報を配信すれば、開封率・クリック率・購買転換率などの向上が見込めます。メルマガによって顧客との対話を強化し、継続購入とファン化を促すことで一時的ではなく長期的な収益基盤の構築が可能になります。

メルマガを配信する際の5つのポイント

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メルマガでは、「どのような形式でメールを送るのか」「誰に向けて送るのか」「どんな内容を届けるのか」を明確に設計する必要があります。以下では、メルマガ配信で押さえておきたい5つのポイントを紹介します。

1.配信形式を決める

メルマガの配信形式は大きく分けてテキストメールとHTMLメールの2種類があります。テキストメールは装飾や画像を含まないシンプルな文面で、開封率や到達率が高いのが特徴です。一方、HTMLメールはブランドカラーや画像、ボタンなどを入れられるため、視覚的に訴求しやすく、マーケティング用途に向いています。
メルマガの配信形式の選択は、企業のリソースと目的によって異なります。たとえば、手間をかけず迅速にフォローしたい初回購入後のフォローメールにはテキストメールが最適です。一方、ブランドの世界観や商品魅力を視覚的に伝えたいセール告知にはHTMLメールが有効です。

2.配信タイミングや頻度を見極める

メルマガの効果を最大化するには、送るタイミングや頻度を戦略的に見極めましょう。たとえば、初回購入直後に「ありがとうございます」のフォローメールを送れば、顧客が商品を受け取る前に心証が良くなり、再訪につながりやすいです。一方で、購入から一週間後に使用感のヒアリングや関連商品の紹介を行うと継続的な関心を喚起できる可能性があります。
また、定期的な配信では曜日や時間帯も工夫する必要があります。たとえば、自社ECサイトの顧客行動履歴をもとにABテストを繰り返し、最適な時間帯・頻度を見つけていくことが鍵です。配信タイミングは定期的に見直し、開封率・クリック率・配信停止率などの指標をモニタリングしながら調整していきましょう。

3.ターゲットを定め、適切な内容する

メルマガ配信では、「誰に何を伝えるか」を明確に設定する必要があります。メールを受け取る対象を購買履歴・属性・興味関心などに基づいてセグメント化し、最適なメッセージや訴求内容を設計しましょう。たとえば、ターゲットによって以下のように訴求するメッセージを変える必要があります。

  • 新規購入者向けには商品の使い方ガイドやレビュー紹介を配信
  • リピーター向けには先行発売情報やクーポンを随時配信
  • カゴ落ちした顧客にはリマインドメールを送る

文章は件名だけでなく本文中の重要部分も強調する工夫や、分かりやすい見出し・構成を意識して読みやすくする工夫も必要です。プレーンテキストの部分も読み飛ばされないよう、簡潔で要点が伝わる文章構成を心がけましょう。

4.開封したくなるように件名を工夫する

メルマガは見てもらうことがスタート地点で、件名が大きな役割を果たします。件名次第で開封率は大きく変わるため、自社の顧客に響く言葉を検証しながら改善していきましょう。
一般的に「割引」「無料」「先行情報」「期間限定」など、お得感や特別感を伝えるキーワードが開封を促す効果が高いとされています。たとえば、「30%OFFクーポン配布中!」や「【先行公開】新作アイテム速報!」などの文言は目を引きやすく興味を喚起しやすいです。
一方で、「!!!」などの記号を過剰に用いるとスパムとして認識されるリスクが高まるため避けましょう。最終的には複数の件名を用いたABテストにより、どの言い回しが最も開封につながるかを検証するPDCAサイクルが大切です。

5.配信後に効果計測をしっかりと行う

メルマガを配信した後は効果計測をしっかりと行いましょう。「どれだけ顧客が開封したか」「メール内のリンクをクリックしたか」などを分析すれば、次回以降に活かせる改善材料を得られます。
具体的には、開封率・開封時間・配信停止率などの指標をダッシュボードで確認しましょう。さらに、クリックしたメール内リンク先でのCVRが高いコンテンツを特定すれば、訴求内容や導線を強化すべき箇所が見えてきます。どの件名・時間帯・ターゲティングが効果的だったかを振り返ると、次回配信時には開封率とクリック率の改善が可能になります。

ECサイトの顧客にメルマガを送付する際の注意点

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メルマガはただ配信すればいいわけではありません。信頼の維持や法令順守の観点から、細心の注意を払うことが不可欠です。以下3つのポイントを押さえて、安全かつ安心して購読できるメルマガの仕組みを整えましょう。

セキュリティ対策を徹底する

安心してアクセスできるメルマガでなければ読んで貰えないため、配信する際はセキュリティ対策を徹底しましょう。前提として自社ドメインのメールアドレスから配信し、なりすましの懸念を軽減する必要があります。
加えて、SPF・DKIMなどの送信ドメイン認証技術を導入して、メールが正当な送信元から届いていると証明することも大切です。上記のセキュリティ対策により、Gmailを中心とした大手キャリアの迷惑メール判定を回避でき、受信トレイへの到達率が向上します。

誤送信が起きないように気を付け、万が一の対応も検討しておく

メルマガを配信する際は誤送信が起きないように気を付け、万が一の対応も検討しておきましょう。メルマガを大量に配信する際はミスが起きやすく、誤送信が発生すると信頼を一瞬で損なうリスクがあります。
配信前には送信先・内容のダブルチェックの体制を設けるほか、配信の権限設定や回数制限も有効です。万が一、誤送信が発生した場合は以下のような対応を迅速に実施しましょう。

  • 誤送信に対する謝罪と訂正を配信
  • クーポン提供など適切なフォローを実施

事前に誤送信発生時のマニュアルを整備しておくと、企業としての対応力が高まり、被害の最小化と顧客の信頼維持につながります。

配信停止可能など特定電子メール法を順守する

メルマガ配信では特定電子メール法の遵守が絶対条件で、本法律では以下の義務が定められています。

  • オプトイン(事前同意):メール受信の同意を明確に取得し、記録を保存
  • オプトアウト(配信停止機能):本文に停止リンクやメールアドレスを記載し、停止手続きを可能にする
  • 送信者表示義務:企業名・住所・問い合わせ先・送信元の社名などを必ず記載
  • 記録保存義務:同意取得や停止後の送信履歴などを一定期間保存
  • 禁止事項:同意なしや停止後の配信、送信元偽装、架空アドレス送信などは禁止

違反した場合、法人は最大3000万円の罰金や改善命令が科される可能性もあります。

参考:特定電子メールの送信の適正化等に関する法律|e-Gov 法令検索

メルマガの活用で顧客との接点を増やしましょう

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ECサイトにおけるメルマガはリピーターの獲得やアップセル・クロスセル、LTVの向上など多くの成果が期待できる施策です。配信形式を選定してタイミング・頻度を見極め、ターゲットに合わせたコンテンツ設計を行うと開封率・クリック率の向上が見込めます。
特に、件名は開封の鍵となるため、お得感のある文言などを挿入して効果測定後に改善を重ねることが重要です。また、誤送信やセキュリティリスクへの配慮、特定電子メール法の順守も忘れてはなりません。安全性と信頼性を高めつつ、パーソナライズされた情報を届けるとメルマガはECビジネスの成長へ効果的に貢献できます。

なお、メルマガの配信を効率的に行いたい場合は「Omni-Base for DIGITAL'ATELIER」の利用がおすすめです。Omni-Base for DIGITAL'ATELIER」はEC事業におけるバックオフィス業務をトータルでサポートするツールで、メルマガ管理機能も備えています。
事前にメルマガのテンプレートをシステム上に登録できるため、EC担当者の配信作業における負担を大きく軽減できます。