ECサイトで売れる商品画像の作成方法や掲載方法とは?注意点と合わせて紹介
- 2025.10.01
- EC

「うちのECサイト、もっと売上を伸ばせるはずなのに......」
「商品の魅力が顧客に伝わっていない気がする......」
ECサイトの運営に携わる中で上記のような悩みを感じた場合、実は画像に原因があるかもしれません。顧客は商品を直接手に取れないため、購入を判断する情報のほとんどを画像に頼っており、写真一枚のクオリティがクリック率や売上を大きく左右します。
本記事では、ECサイトで売れる商品画像の作成方法や掲載方法について撮影の基本やテクニック、注意点まで解説します。本記事を読めば、ECサイトで乗せる商品画像のクオリティを向上させられるでしょう。ECサイトで高い品質の商品画像を掲載し、売上の向上を図ってください。
ECサイトにおける画像の重要性
ECサイトにおける商品画像は単なる説明写真ではなく、実店舗における接客や商品の手触り、雰囲気に代わる重要な情報です。顧客は商品を直接手に取って確認できないため、判断材料のほとんどを画像に頼ります。実際に、海外の調査ではオンラインショッピング利用者の方の75%が「購入を決定する際に商品画像を重視する」と回答しています。
実際に、背景が雑然とした写真や画質が荒く商品のディテールがわからない写真があった場合、多くの方が購入をためらうでしょう。一方で、プロが撮影したような魅力的で鮮明なECサイトの画像は顧客の目を引きつけ、クリックを促します。さらに、商品の質感やサイズ感、使用シーンが伝わる多彩な画像は購入前の不安を解消し、CVRを高めます。
参考:How Important Is Product Photography?|Weebly
商品が売れる画像とは視覚的に情報が伝わる画像
商品が売れる画像とは視覚的に情報が伝わる画像を指します。ここからは、顧客が知りたい情報が伝わる画像を作成するための3つの重要なポイントを具体的に見ていきましょう。
商品の全体がわかる
まず最も基本的なポイントは、顧客が商品の全体像を正確に把握できることです。「どんな形をしているのだろう?」「全体のバランスはどうなっているのだろう?」などの疑問に、明確に答えられなければなりません。
たとえば、デザイン性の高い椅子を販売する場合、正面からの写真1枚だけでは背面の美しい曲線や脚部の繊細なデザインなど、顧客が知りたいであろう特徴を十分に伝えられません。
そこで、正面・背面・両側面、そして少し斜め上から見下ろした角度など最低でも4〜5枚の画像を用意しましょう。あらゆる角度からの商品画像があれば、顧客は商品を立体的にイメージでき、購入後のギャップや返品リスクを防げます。
静止画以外でも動画を活用し、静止画に合わせて動画を組み込むことでより具体的に商品を伝えることもできます。
サイズや質感、色味がわかる
ECサイトに掲載する商品画像を作成する際は、サイズや質感、色味がわかるものに仕上げましょう。オンラインショッピングで、顧客が求めているのは、「サイズ感」「質感」「色味」などの詳細な情報です。上記の情報が曖昧なままだと、顧客は安心して購入ボタンを押せません。
サイズ感を伝えるには、スマートフォンや500mlのペットボトルと比較した画像を一枚加えると効果的です。
質感については、素材の魅力が伝わるよう商品に寄ったアップの写真を撮影しましょう。たとえば、革製品であれば表面のシボが、ニットであれば毛糸の編み目がはっきりとわかる画像です。
色味は、ECサイトで最もクレームにつながりやすい要素です。撮影時の照明やお客様の閲覧環境によって見え方が変わるため、編集ソフトを使って可能な限り実物の色に近づける努力が不可欠です。
商品の活用シーンがイメージできる
商品の全体像やディテールを伝えたうえで、最後の一押しとなるのが活用シーンをイメージさせる画像です。顧客は単に商品をものとして見ているのではなく、手に入れることで得られる体験を求めています。
たとえば、お皿を販売する場合は白い背景で商品だけを撮影した写真も必要ですが、それだけでは不十分です。彩り豊かなパスタを盛り付け、ランチョンマットやカトラリーとともにテーブルコーディネートされた写真を用意しましょう。
顧客は「このお皿を使えば、いつもの食事がもっと楽しくなりそう」と、商品を購入したライフスタイルを具体的に想像できます。
ECサイト用の商品画像を撮影するためのポイント
以下では、ECサイト用の商品画像を準備する上で欠かせない撮影と加工の具体的なポイントを、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
【撮影】ピントやアングルを合わせる
撮影における最も基本的な要素は、主役である商品にしっかりとピントを合わせることです。ピントがぼやけている写真は商品が安っぽく見え、顧客に「このショップは品質管理が甘いのかもしれない」という不安を与える可能性があります。スマートフォンのカメラでも、画面上の商品をタップするだけで簡単にピントを合わせられるため、必ず確認しましょう。
また、カメラアングルの統一も非常に重要です。特に、商品一覧ページで色違いの商品などが並ぶ際にアングルがバラバラだと、サイト全体が雑然とした印象になってしまいます。すべての商品を同じ角度・大きさで撮影すれば、顧客は商品ごとの違いを直感的に比較しやすくなり、ストレスなく買い物を楽しめます。
【撮影】背景やライティングを工夫する
商品の魅力を最大限に引き出すためには、背景とライティングの演出が重要です。背景については、多くのECサイトで採用されている白背景が最も汎用性が高くおすすめです。
白背景は余計な情報をなくし、顧客の意識を商品そのものに集中させる効果があります。また白背景にしておくことでAIを使った画像生成で活用しやすいというメリットもあります。一方で、ブランドの世界観を強く打ち出したい場合は、ブランドカラーの背景紙などを使うのも良いでしょう。
ライティングは、商品の質感や立体感を表現する上で決定的な役割を果たします。最も手軽で美しく撮影できるのは、窓際から差し込む自然光です。レースのカーテン越しに射す柔らかい光を利用すると、商品の色や質感をナチュラルに表現できます。もし、室内灯などの人工照明を使う場合は商品ごとに光のあたり方が変わらないよう、常に同じ環境で撮影しましょう。
【撮影】活用シーンが伝わるように小物などを用意する
商品の活用シーンが伝わるように、小物を効果的に使うのも有効なテクニックです。たとえば、コーヒーカップを撮影する際に豆やおしゃれなドリッパーをさりげなく横に添えるだけで、こだわりのコーヒータイムを演出できます。
ただし、あくまで主役は商品です。小物が目立ちすぎたり、数が多すぎたりすると何の商品ページなのかがわかりにくくなってしまいます。小物は脇役として最小限にとどめることを意識しましょう。また、アパレルやバッグ、アクセサリーなどの身につける商品の場合は実際にモデルが着用している画像を用意するのがおすすめです。
【撮影】トリミング・余白を考えて撮影する
撮影する際は、最終的にサイトに掲載されるときの見え方を意識しましょう。特に、撮影後の編集作業のためにトリミングを考慮し、商品の周囲に十分な余白を持たせて撮影します。
たとえば、商品をファインダーいっぱいに撮影してしまうと、後から正方形のサムネイル画像にした際に端が見切れてしまいます。少し引いた位置から撮影しておけば、後から自由に構図を調整でき、さまざまな用途に画像を使い回しやすくなります。
【加工】明るさや色味を調整・統一する
明るさと色味の調整・統一は、写真の印象を大きく左右します。撮影した写真が少し暗いと感じる場合は、編集ソフトで明るさを少し上げるだけで商品は魅力的に見せられます。
ただし、色味の調整には細心の注意が必要です。顧客が最もがっかりするのは「届いた商品の色が、サイトで見たイメージと全然違う」場合です。過度な加工は避け、あくまで実物の色に忠実に近づける目的で調整しましょう。
ECサイトに掲載されている画像の明るさや色調のトーンを統一すれば、ショップ全体に洗練された印象を与えられます。
【加工】テキストやアイコンを追加する
ECサイトの画像にテキストやアイコンを追加するのも有効です。たとえば、商品のメイン画像に「SALE」「送料無料」「新商品」などのアイコンを配置すれば、顧客のクリックを促す効果が期待できます。
テキスト・アイコンを追加する際に重要なのが、見やすさです。特に、スマホで閲覧されるケースを想定し、「文字が小さすぎて読めなくならないか」などの点に配慮が必要です。情報を詰め込みすぎず、本当に伝えたいメッセージを簡潔かつわかりやすくデザインしましょう。
ECサイトへ画像を掲載する際の注意点
安心してECサイトを運営して画像の力を最大限に発揮させるために、掲載前は以下の3つのポイントを必ず確認しましょう。
1. 掲載するモールの画像規約に合わせて撮影・加工する
Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのECモールに出店している場合、モールが定めた独自の画像ガイドラインに注意が必要です。たとえば、以下のようにECモールによっては細かく具体的なルールが定められているケースが少なくありません。
- 1枚目の商品画像は白背景(白抜き)であること
- 画像内にテキストやロゴを入れるのは禁止
- 画像の余白率は〇%以上確保すること
もし、ガイドラインに準拠していないECサイトの画像を掲載すると、最悪の場合は商品ページが非公開にされてしまう可能性もあります。後から撮り直しや修正といった2度手間を防ぐためにも、撮影を始める前に必ず出店するモールのガイドラインを隅々まで確認しておきましょう。
2. 画像サイズと容量を最適化する
ECサイトに画像を掲載する際は、Webサイトに最適化されたサイズと容量に調整しましょう。自社のECサイトに掲載する場合でも、デジタルカメラなどで撮影した高画質な画像をそのままアップロードするのは避けてください。
画像のファイル容量が大きすぎるとページの読み込み速度が著しく低下し顧客に大きなストレスを与え、離脱の原因となります。
またページの表示速度はGoogleなどの検索エンジンがサイトを評価する重要な指標であり、SEOの観点からも不利です。ECサイトに画像を掲載する際は、以下のポイントを押さえてサイズと容量を調整しましょう。
- 画像サイズ:商品画像の横幅は一般的に1000〜1500ピクセル程度が推奨
- 画像容量:1枚あたり100〜200KB程度、大きくても500KB以内に収めるのが理想
3. 著作権や肖像権に注意する
ECサイトに掲載する画像は、著作権・肖像権を侵害していないか細心の注意を払う必要があります。知らなかったでは済まされない法的なトラブルに発展し、企業の信頼を大きく損なうことになりかねません。
自社で撮影した場合、人物をモデルとして起用したときは、必ずECサイト掲載への同意を書面などで得ておきましょう。また、背景に他社のロゴやキャラクター、許可を得ていない通行人などが写り込んでいないかも入念にチェックしてください。
外部の素材を利用する場合、たとえフリー素材であっても利用規約は必ず確認が必要です。「商用利用は可能か」「クレジット表記は必要か」「画像の加工は許可されているか」など、提供元サイトの規約を遵守して正しく使用しましょう。
商品の魅力が伝わる画像活用で売上を向上させましょう
本記事ではECサイトの売上を向上させるための画像の重要性から具体的な撮影・加工のポイント、掲載時の注意点までを解説してきました。ECサイトの成功の鍵は、顧客に商品の価値を正しく魅力的に伝える画像にあります。
本記事で紹介したポイントを丁寧に実践すれば、お客様の購買意欲は着実に高まります。しかし、日々の業務の中で、常に質の高い画像を制作し続ける難しさを感じる担当者も多いでしょう。また、「作り込まれた綺麗な写真だけでは伝えきれない商品のリアルな魅力をどう表現すれば良いか」という新たな課題も見えてきます。
上記のような課題を解決できるのが、ECのバックオフィス事業をサポートするツール「Omni-Base for DIGITAL'ATELIER」です。「Omni-Base for DIGITAL'ATELIER」では、店舗スタッフが撮影したコーディネート画像や実際の使用例を手軽にECサイトへアップロードできるツールとの連携が可能です。
日々の接客を通して顧客のニーズを熟知している店舗スタッフだからこそ、リアルなノウハウに基づいた質の高い写真を撮影できます。
商品の魅力が伝わる画像を効率的に作成したい場合は、ぜひ「Omni-Base for DIGITAL'ATELIER」の活用をご検討ください。