ECサイトのモバイル対策は必須!スマホ対応におけるポイントや注意点を徹底解説

  • 2025.10.22
  • EC

「スマホからのアクセスは増えているのに、なぜか売上が伸び悩んでいる......」ECサイト運用担当者なら、一度は上記の課題を感じたことがあるのではないでしょうか。売上が伸びない原因は、PCでは快適に見えるサイトがスマホ(モバイル環境)では「見づらい」「使いにくい」と感じられている可能性があります。

本記事では、ECサイトのモバイル対策が必要な理由を説明します。本記事を読めば、ECサイトのスマホ対応が必須な理由を理解し、スムーズに対応を進められます。ECサイトのモバイル対策を行い、売上の拡大につなげましょう。

ECサイトのスマホ対応が必要不可欠な理由

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ECサイトのスマホ対応が必要な理由は、現代の情報収集・購買行動の多くがスマホから行われるためです。経済産業省が発表した調査によると、2022年の物販のBtoC-EC市場において、取引の約56%がスマホ経由で行われているという結果がでていて、顧客の多くが通勤中や休憩中などの隙間時間にスマホ画面で商品を比較・検討し、購入しています。
ただし、すべてのECサイトで同じ傾向が見られるわけではありません。例えば、BtoB-ECの分野ではいまだに会社のパソコンからアクセスされるケースが多いため、PCサイトの重要性も高いままです。
そのためBtoCのECサイトである場合には、スマホを使って快適な購買体験を提供できるかどうかが売上を左右する極めて重要なポイントです。

参考:令和4年度 電子商取引に関する市場調査|経済産業省

ECサイトにおけるモバイルファーストの重要性

ECサイトにおけるモバイルファーストの重要性は、Googleが採用している「モバイルファーストインデックス」の考え方に基づきます。これはGoogleがWebサイトを評価し検索結果の順位を決める際に、モバイル版のサイトを基準にする仕組みです。
Googleがスマホ対応を重視する理由は、検索サービスを利用するユーザーの大半がスマホからアクセスしているためです。ユーザーが最も利用するデバイスで快適に閲覧・操作できるサイトこそが、価値が高いとGoogleから判断されます。つまり、ECサイトのスマホ対応はGoogleの検索結果で上位表示を狙うためのSEO対策としても効果的です。

ECサイトのモバイル利用を把握する方法

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以下では、ECサイトのモバイル利用を把握する具体的な分析方法と注目すべき指標について見ていきましょう。

ユーザー属性を確認する

Googleアナリティクスでユーザー属性を確認すれば、サイト訪問者がどのデバイスを利用しているかを確認できます。ユーザーのデバイス情報は、Googleアナリティクスで以下のように簡単に確認できます。

【Googleアナリティクスでの確認手順】

  1. 左側のメニューから「レポート」をクリック
  2. 「ユーザー」セクション内の「テクノロジー」→「ユーザーの環境の詳細」を選択
  3. レポート上部の「デバイス」と表示されているプルダウンメニューをクリックし、「デバイスカテゴリ」を選択

上記の操作により、デバイスごとにユーザー数・エンゲージメント時間などの指標が一覧で表示されます。もし、「Mobile」の割合が高ければ、優先度を上げてスマホでの表示に最適化できるようECサイトを改善しましょう。

モバイルユーザーの行動分析を行う

Googleアナリティクスでは、モバイルユーザーの行動に焦点を当てて分析も可能です。「モバイルユーザーがECサイト内でどのように行動し、どの地点で離脱しているのか」がわかれば、改善すべきポイントが明確になります。
具体的には、以下の手順でGoogleアナリティクスの比較機能を利用しましょう。

  1. GA4の左側メニューから「集客」→「トラフィック獲得」など、分析したい任意のレポートを開く
  2. レポート上部にある「+比較対象を追加」をクリックし、画面の右側に比較条件を設定するためのパネル表示される
  3. 表示されたパネルから「モバイルのトラフィック」を選択して適用する
  4. 同様の手順で、表示されたパネルから「ウェブのトラフィック」を選択して適用する

上記の設定を行うと、サイト全体とモバイル単体およびPC単体のデータを比較できます。
以下のように各指標でPCユーザーとモバイルユーザーの行動を並べて比較すると、モバイル特有の課題が浮き彫りにできます。

【比較分析で注目すべき指標の例】

  • コンバージョン率:モバイルユーザーの購入完了率がPCユーザーに比べて著しく低い場合、モバイルでの購入プロセスに何らかの問題が潜んでいる
  • 平均エンゲージメント時間:もしモバイルユーザーの滞在時間が極端に短いなら、「求めている情報にたどり着きにくい」「ページの表示速度が遅い」などの問題がある
  • 特定のページの離脱率:カート投入後の確認・決済ページなど購入の最終段階における離脱がモバイルだけ高い場合は早急な改善が必要
    上記の指標を比較分析すれば、「なぜモバイル経由の売上が伸び悩んでいるのか」に対する具体的なヒントを得られます。

ECサイトのスマホ対応におけるポイント

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以下では、ECサイトのモバイル対策で失敗しないための具体的なポイントを4つに絞って解説していきます。

1. レスポンシブデザインかモバイル専用サイトにするかを検討する

まず、ECサイトのスマホ対応を行うにあたり、レスポンシブデザインかモバイル専用サイトにするかを検討しましょう。レスポンシブデザインとモバイル専用サイトの概要は、以下のとおりです。

  1. レスポンシブデザイン:閲覧しているデバイスの画面サイズに応じてレイアウトを自動で最適化する手法
  2. モバイル専用サイト:PCサイトとは別にモバイルユーザーのためだけの専用サイトを構築する手法

結論として、特別な理由がない限り、レスポンシブデザインを選択しましょう。レスポンシブデザインは管理の手間やコストが低く、Googleからの評価も獲得しやすいためです。ただし、PCとモバイルでユーザーの利用目的が明確に異なり、サイトの表示速度を追求したい場合にはモバイル専用サイトも有効です。

2. スマホに適したUI/UXの設計

ECサイトのスマホ対応で最も重要なのが、スマホに適したUI/UXの設計です。PCサイトのデザインをスマホ用にそのまま縮小しただけでは、操作性・視認性が損なわれユーザーに多大なストレスを与えてしまいます。スマホならではの特性を理解し、以下のような指先での操作を前提とした設計を心がけましょう。

  • ボタンのサイズと配置:ボタンやリンクは指で確実にタップできる十分な大きさを確保し、押し間違いが起きないよう要素間に適切な余白を設ける
  • 情報量の整理:ユーザーが求める情報にすぐたどり着けるよう優先順位を明確にし、不要な情報は思い切って削るか別階層に移動させる
  • 入力フォームの簡略化:会員登録や購入手続きのフォームは入力項目を最小限に絞り込む

3. ページ表示速度の改善

ECサイトのスマホ対応では、ページ表示速度の改善も同時に行いましょう。特に、モバイル環境では通信状況が不安定になるケースも多く、ページの表示速度はユーザーの離脱率に直接影響します。
Googleの調査によれば、ページの読み込み時間が1秒から3秒に落ちるだけで、ユーザーの直帰率は32%も増加するとされています。ECサイトでは、以下のような施策でモバイルページの表示速度をスムーズに維持しましょう。

  • 画像の最適化:商品画像などのファイルサイズを品質を損なわない範囲で圧縮する
  • 不要なコードの削除:Webサイトを構成するHTMLやCSS、JavaScriptの中から不要な記述を削除してファイルを軽量化する
  • サーバーの応答速度の改善:利用しているサーバーの性能を見直す

ページの表示速度はユーザー体験だけでなくSEOの評価項目でもあるため、地道な改善が売上と検索順位の両方に良い影響を与えます。

参考:Page load time statistics|Google

4. 商品ページの最適化

商品ページの最適化は、ECサイトのスマホ対応で優先的に取り組みたい施策です。スマホで商品ページをいかに魅力的かつわかりやすく見せるかが、コンバージョン率を大きく左右します。具体的には、スマホの小さな画面で商品情報を的確に伝えられるよう以下の工夫が求められます。

  • 魅力的な商品画像:高画質なのはもちろん、ピンチ操作で自由に拡大できるようにする
  • 購入ボタン(カートボタン)の工夫:購入ボタンを画面の最下部などに常に表示させておく追従ボタンの設置はモバイルECサイトにおいて有効な手法
  • 情報の見せ方:詳細なスペックやユーザーレビューなどは「詳細を見る」ボタンをタップすると表示が展開されるアコーディオンUIを活用

ユーザーと同じ環境で必ず確認を行いましょう

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ECサイトの改善施策を検討して実装した後は、自身がユーザーとなり、スマホで実際にサイトを操作して確認しましょう。ECサイトの運用担当者は、日常業務のほとんどをPCで行っているため、PCでの見え方や使いやすさには敏感でも、スマホでの表示や操作感については、意識が薄れがちです。
しかし、顧客の多くはスマホ経由でECサイトを訪れ、商品を購入しています。顧客と同じ視点で自社サイトを体験することで、初めて気づける課題が数多く存在します。
スマホを手に取り、トップページから商品を探し、カートに入れて決済を完了させるまでの一連の流れを試してください。

  • 「このボタン、少し押しにくいな」
  • 「入力フォームで、毎回キーボードを切り替えるのが面倒だ」
  • 「Wi-Fiがない場所だと、このページの表示が極端に遅いな」

上記のような小さなストレスの積み重ねが、ECサイトからの離脱につながります。ECサイトのモバイル体験を継続的に向上させ、顧客の購買活動を促進させましょう。

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