カゴ落ち率を改善するには?ECサイトに最適な決済サービスの選び方と導入メリット

  • 2025.11.05
  • EC

「カゴ落ち率がなかなか改善しない」という悩みは、ECサイトを運用する中で多くの担当者が抱える共通の悩みです。原因の一つとして、ECサイトの決済方法に問題がある場合も考えられます。ユーザーが購入をしようとしたときに、自分が使いたい決済方法がなければ、貴重な販売機会を静かに逃してしまうでしょう。
本記事ではECサイトの決済方法について、代表的なサービスとEC事業者のメリット・デメリット、決済代行会社の選び方まで解説します。本記事を読めば、自社のECサイトにマッチした決済方法をスムーズに選べます。自社にマッチした決済方法を導入し、ECサイトにおける顧客満足度と売上を向上させましょう。

代表的な決済サービス

画像2.jpgここでは多くのサイトで導入されている代表的な決済サービスについて、それぞれの特徴を見ていきましょう。

クレジットカード決裁

クレジットカード決済は、ユーザーが自身のカード情報をECサイトに入力して支払いを行うサービスです。ユーザー側のメリットは、注文と同時に支払いが完了する手軽さにあります。利用額に応じてカード会社のポイントが貯まるため、お得に買い物をしたいと考えるユーザーにも好まれます。
事業者側のメリットは販売機会の損失を防げる点です。クレジットカード決済はECサイトにおける最も一般的な決済手段であり、使用できない場合は多くのユーザーが購入を諦めてしまう可能性があります。そのため、クレジットカード決済の導入は、ECサイトで必須です。
ただし、クレジットカード決済の導入には、カード会社や決済代行会社の審査が必要であり、売上に応じた決済手数料が発生する点は注意が必要です。

コンビニ支払い

コンビニ支払いは、ECサイトでの注文後に発行される支払い番号などを使ってユーザーがコンビニのレジで代金を支払う方法です。「クレジットカードをもっていない」「オンラインでの支払いに抵抗がある」などの若年層やシニア層にとって、利便性の高い決済方法です。支払いは商品到着後の後払いや、支払い確認後に商品を発送する前払いの形式があります。
事業者にとってのメリットは、クレジットカードを利用しない層の顧客を取り込める点です。しかし、デメリットとしてユーザーが期限内に支払いを忘れてしまい、注文がキャンセルされるケースがあります。未払いのユーザーへの督促など、個別のフォローが必要な場合がある点も覚えておきましょう。

キャリア決済

キャリア決済とは各通信キャリアのIDとパスワード認証を利用し、商品代金を月々の携帯電話料金と合算して支払えるサービスです。特に、スマートフォンからの購入においてユーザーはクレジットカード情報などを入力する手間なく、数タップで決済を完了できます。
この手軽さから、デジタルコンテンツや比較的少額の商品購入と相性が良い点が特徴です。
事業者にとっては決済時の入力ハードルが下がり、カゴ落ち率の改善を期待できる点が大きなメリットです。一方で、ほかの決済方法と比較して決済手数料がやや高めに設定されている傾向があります。また、ユーザーごとに利用限度額が設けられている点には注意が必要です。

銀行振込

画像3.jpg銀行振込はユーザーに指定の銀行口座へ商品代金を振り込んでもらい、入金を確認できた時点で注文が確定する決済方法です。ユーザーにとってはクレジットカード情報をECサイトに登録する必要がないため、セキュリティ面での安心感があります。
事業者側のメリットは、振込手数料を購入者の負担してもらえる点です。しかし、ユーザー一人ひとりの入金を個別に確認し、手動で消込作業を行う手間がかかるデメリットがあります。また、ユーザーが入金を完了するまで商品を発送できないため、リードタイムが長くなりがちな点も注意が必要です。

代引き

代引きは配送業者が商品をユーザーへ届けた際に、その場で代金を回収する決済方法です。ユーザーは商品を実際に受け取ってから支払うため、「注文したのに商品が届かない」などの不安を感じずに安心して買い物ができます。
事業者にとってのメリットは商品と引き換えに代金を回収するため、未払いリスクが少ない点です。しかし、ユーザーが受け取りを拒否したり、長期不在で商品が返送されたりした場合、送料や代引き手数料が事業者負担となるリスクがあります。また、回収した代金の管理や経理処理がほかの決済方法より複雑になる点も考慮しなければなりません。

オンライン決済

オンライン決済とはAmazon Payや楽天ペイ、PayPayなどのアカウント情報を利用して支払いを行うサービスです。上記のサービスを普段から利用するユーザーは、ECサイトで新たに住所・氏名・クレジットカード情報などを入力する必要がありません。使い慣れた決済サービスのIDでログインするだけで、登録済みの情報を使って簡単に決済を完了できます。
事業者にとってはユーザーの入力の手間を省き、カゴ落ち率の改善を多く見込める点がメリットです。また、決済サービスのロゴが表示されることでユーザーに安心感を与えられるため、サイトの信頼性向上にもつながります。デメリットとしてはサービスごとに導入手続きが必要であり、それぞれ決済手数料が発生する点が挙げられます。

決済代行会社の選び方のポイント


画像4.jpgECサイトに複数の決済方法を導入する際、各決済サービスと個別に契約を行うのは非常に手間がかかります。そこで、多くのEC事業者が活用しているのが、複数の決済機関との契約やシステム導入を一括で代行してくれる決済代行会社です。
しかし、決済代行会社も数多く存在するため、「どの会社を選べば自社にとって最適なのか分からない」と感じる方も多いでしょう。以下では、自社にマッチした決済代行会社を選ぶために、確認しておきたい5つのポイントを解説します。

導入実績と信頼性を見極める

最も重要なのが、決済代行会社の導入実績と信頼性を見極めることです。具体的な判断材料として、公式サイトで公開されている導入実績を確認しましょう。特に、自社と同じ業界や近い事業規模の導入事例が豊富にあれば、業界特有の事情にも精通している可能性が高く安心して相談できます。
また、会社の設立年や事業継続年数の長さも、安定したサービスを提供してきた証として1つの指標となります。大切な売上管理やユーザーの個人情報管理を任せる以上、企業の安定性や信頼性は必ずチェックすべき項目です。

決済手段の幅広さを確認する

決済代行会社を選ぶ際は、決済手段の幅広さを確認しましょう。決済代行会社によって、取り扱っている決済方法の種類が異なります。ECサイトを利用するユーザーが使いたいと思う決済方法が用意されていなければ、購入の最終段階で離脱してしまう原因になりかねません。
まずは、自社の顧客層を分析し、どのような決済ニーズがあるかを洗い出しましょう。例えば、若年層が多ければキャリア決済やID決済の導入が適しています。高額商品を扱うのであれば分割払いに対応したクレジットカード決済も必要です。

セキュリティ対策を確認する

決済代行会社を選ぶ際は、セキュリティ対策についても確認しておきましょう。ユーザーが安心してECサイトで買い物をするためには、万全なセキュリティ対策が不可欠です。万一、決済情報の漏洩が発生すれば、ユーザーからの信頼を失うだけでなく、事業の存続にも関わる深刻なダメージを負います。
決済代行会社を選ぶ際には、どのようなセキュリティ対策を講じているかを必ず確認してください。具体的には、以下のような認証を取得しているかは信頼性を測る上で重要な指標となります。

  • プライバシーマーク(個人情報の適切な保護体制を整備している証明)
  • ISMS認証(情報セキュリティ管理の国際規格)
  • PCI DSS(クレジットカード情報の保護に関する国際基準)

特に、PCI DSSに準拠した決済代行会社を利用すれば、事業者側でカード情報を保持する必要がなくなり情報漏洩のリスクを低減できます。

サポート体制の内容を確認する

決済代行会社を選ぶ際は、サポート体制の内容も確認しましょう。「決済がうまくできない」「エラーが表示される」などのトラブルはユーザーに大きな不安を与え、販売機会の損失に直結します。万が一の事態が発生した際に、迅速かつ丁寧に対応してくれるサポート体制が整っているかは非常に重要な選定ポイントです。
導入前の相談はもちろんですが、「導入後にどのようなサポートが受けられるのか」を具体的に確認しましょう。例えば、問い合わせサポート対応に関して以下の点を確認するのがおすすめです。

  • 問い合わせ窓口は電話、メール、チャットなど何が用意されているか
  • 対応時間は平日日中のみか
  • 土日祝日や夜間も対応してくれるのか

安心してECサイトを運営できるように、手厚いサポートを提供してくれる会社を選びましょう。

利用料について確認する

決済代行会社を選ぶ際は、利用料についても事前に確認しておきましょう。決済代行会社の料金体系は、主に初期費用・月額固定費・決済手数料などで構成されています。料金プランを比較する際は、売上予測や平均注文単価などを基に、月々のランニングコストをシミュレーションすることが大切です。
例えば、売上規模が小さい初期段階では、月額固定費が無料のプランが適しています。売上が拡大してくれば、月額固定費は発生するものの、決済手数料自体の料率は低いプランのほうが、トータルコストを抑えられる場合もあります。複数の会社から見積もりを取り、自社の事業フェーズなども考慮しながら、決済代行会社を選定しましょう。

まとめ

画像5.jpgECサイトの売上向上には、ユーザーのニーズに合った決済方法の導入が不可欠です。クレジットカード決済を軸に、コンビニ決済やキャリア決済などを組み合わせることで、幅広い顧客層を取り込み、購入直前での離脱防止につながる可能性もあります。
複数の決済方法を効率的に一元管理するには、決済代行会社の活用が現実的な選択肢です。その際は、本記事で解説した導入実績や決済手段の幅広さなどの視点から、自社の事業規模やターゲット顧客に最適な会社を見極めましょう。
本記事を参考にECサイトの決済環境を見直し、ユーザーに快適で安心な購買体験を提供して売上の最大化を目指してください。
Omni-Base for DIGITAL'ATELIER」は、さまざまな決済方法と連携することが可能です。自社にぴったりの決済方法を見つけ、ECサイトにおける顧客満足度と売上を向上させたい企業のご担当者様はぜひご検討ください。