経営危機を突破する鍵として選択されたOBD
オーダーメイドからノンカスタマイズへの変革を、現場はどう乗り越えたのか【前編】

齊藤俊樹さん

株式会社ニッセンホールディングス

経営推進本部 IT戦略推進部 IT管理・インフラチーム マネージャー
齊藤俊樹さん

加藤雄一さん

株式会社ニッセンホールディングス

経営推進本部 IT戦略推進部 システム開発・保守チーム マネージャー
加藤雄一さん

増田勇二さん

BIPROGY株式会社

インダストリーサービス第一事業部 営業二部長
増田勇二さん

米ノ井康隆さん

BIPROGY株式会社

インダストリーサービス第一事業部 営業二部 コマース&サービス営業所長
米ノ井康隆さん

プロジェクト開始から約1年半で、ほぼすべての業務システムをOmni-Base(Omni-Base for DIGITAL‘ATELIERの前身サービス、以下OBD)に移行した株式会社ニッセンホールディングス。「苦楽を共にした同志」と当時を振り返る4人に、導入を決断した経緯や決め手、社内体制の変革について伺いました。

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2018年、ニッセンはシステムをOBDに刷新しました。そこに至った背景をお聞かせください

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齊藤(ニッセンホールディングス):2016年頃、ニッセンの存続を最優先課題とした、ITコストの構造転換に向けた経営陣の方針が発表されました。そこで2018年度の大幅なITコスト削減目標が掲げられたのです。これを実現するためには、IT中央集権型管理体制から、事業部門ごとの連邦型管理体制への移行を進め、最小限の人員でのITサービス運用を実現する必要がありました。
当時、BIPROGYさんはニッセンのシステムパートナーでした。システムのアウトソーシングを通じて、かれこれ30年ほどお付き合いをいただいていたと思います。他社のソリューションも複数検討しましたが、最終的にBIPROGYさんが提案するOBDの導入を決断しました。当時を振り返ると、ニッセンの事情を隅々まで把握しているBIPROGYさんとは、かなり斬り込んだ話し合いができていたと思います。

増田(BIPROGY):当時のニッセンさんが直面する厳しさは弊社も十分理解していました。ニッセンさんからITコスト削減のご相談をいただいたものの、コスト・期間・人員の3つがぴったりとはまる答えはありませんでした。そこで当時はまだ製品化されていない、サービスの卵だったOBDをアイデアのひとつとして紹介しました。

齊藤:OBDになる前にニッセンで稼働していたシステムは、BIPROGYさんが現場の意見を吸い上げて開発した「手作り」でしたよね。

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増田:はい。当時のシステムにはニッセンさんのこだわりが詰まっていましたから、現場の方にとっては痒いところに手が届く、とても使いやすいものだったと思います。さらに国内外合わせて200人ほどの弊社がアサインした人員が運用に携わり、システムの安定稼働を支えていました。
OBDを選択すると運用スタッフは約半分になるため、大幅なコスト削減が期待できました。しかしノンカスタマイズのOBDに移行するには、それまで使っていた機能をある程度捨てることになり、現場が混乱することは確実でした。ニッセンさんの業務を深く知る立場として、変化を選択しなければならないつらさがよくわかりました。

齊藤:OBDの話を聞いたとき、IT部門としては「ニッセンをよく知っているBIPROGY社の製品であれば何とかなるのでは」と思いましたが、現場が納得するかは疑問でした。しかしたとえ抵抗があっても、背に腹は代えられません。いまから思うとOBDの導入で運用の人員が減ることは、BIPROGYさんにとっても厳しい選択だったのではと思います。

増田:他社のソリューションも検討されていることは知っていたのですが、ニッセンさんの課題を解決するのはOBDしかないと確信していましたから、毎日のように社長と常務にプレゼンの機会をいただいていました。

OBD導入に関して、感じた期待や不安は?

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増田:たしか最初のご提案は2016年6月下旬、正式にプロジェクトがスタートしたのは2016年8月頃でしたよね。約1年半のプロジェクト期間を経て、OBDが安定稼働となったのは2018年1月頃からだったと思います。ご提案の当初から、ノンカスタマイズのOBDはシステムに業務を合わせる、SaaSのサービスであるためサービスレベルが落ちるおそれがゼロではないという点をご説明し、ご納得いただいた上でプロジェクトがスタートしたことを覚えています。

加藤(ニッセンホールディングス):IT部門の現場としては、サーバーのサポート契約が2017年12月に切れることが決まっていたため、OBD移行がそれに間に合うようにスケジューリングできたことには安心しました。
私は中途で入社したのですが、外の会社と比べてニッセンはシステムや運用が複雑化しているという印象があり、もっとシンプル化が必要だと考えていたため、OBDへの刷新はよい機会ととらえていました。

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米ノ井(BIPROGY):以前はシステムがたくさんありましたよね。それがOBDの導入でシステムが1/2、人員は1/3程度になりました。OBDを載せていくプロジェクトの裏では、それとつながるインフラやシステムも並行して変えていく作業が動いていたので、1年半くらいで稼働できたのは驚きです。

齊藤:以前のニッセンは、業務≒システムの機能でしたからね。膨大なシステムの中には「そこまでいるの?」というものもあったと思います。それがOBDになり、システムが変わることで業務も変わらざるを得なくなった。

社内のOBDへの変化を、どのように促しましたか?

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齊藤:各現場と会話を重ねながら、「必要な機能はまずOBDで探す」「その機能に業務を合わせていく」という思考の転換を目指しました。例えばコールセンターの場合、オペレーターが誰でも同じように業務を進めるために必要だったのだとは思いますが、画面に表示されるボタンの色、大きさ、位置などに細かなルールを設けていました。OBDによるシステムのシンプル化は、どの現場にとっても大きな変化だったと思います。

増田:弊社としては、ニッセンさんの業務ごとにOBDのフローを説明するセッションを設けました。例えば「今日のテーマはコールセンターの受注業務です」とアナウンスすると、その業務を担当する方が会議室に集合します。そこで受注業務をOBDでやる際のフローを説明すると「こういうケースはどうすれば?」「これはできますか?」という質問がいくつもでますので、それにひとつずつ答えていくんですね。どうしてもOBDで無理な場合、現場の運用で対応していただくものもありました。セッションを重ねることで現場の方々にOBDでの業務フローを理解いただき、ニッセンさんの方で業務のマニュアルが新たに作り替えられていきました。

齊藤:システムが変わると「新しいシステムではこうなります」という説明に終始されることが多いのですが、BIPROGYさんは「以前はこうでしたが、これからはこうなります」という、以前のシステムと比較した説明をしていただけるので現場はかなりわかりやすかったのではないでしょうか。さらにBIPROGYさんは以前あった機能が実装された経緯も把握しているので、常に現場のニーズに寄り添った解決策を提示いただくことで、OBDの浸透は加速したと思います。

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増田:ニッセンさんに限らず、OBDはいきなりサービスの説明をすることはありません。OBDの導入は、お客様の業務ヒアリングをファーストステップと位置付けているため、お客様の業務を深く理解した上で、「OBDであればこうなります」と説明しています。お客様の業務を知らずに、業務をOBDに合わせてくださいというのは乱暴です。OBDの導入で現場にどのような混乱が起こるのか把握した上で、お客様と話し合っていくことが重要です。
ニッセンさんの場合、以前から現場にいた弊社運用部隊とセッションを対応したコンサル部隊の連携がよかったと自負しています。運用部隊が持つ業務の知識をコンサル部隊と共有できたことが、わかりやすい説明につながったと思います。導入当初は「ここは物流」「ここは受注」と、ニッセンさんのあらゆる会議室を弊社が埋めてセッションを開いていました(笑)

齊藤:私もセッションに呼ばれていましたから、よく覚えています。あのときの混乱があって、いまがありますよね。

後編はOBD導入でもたらされた効果、OBDを土台としたビジネス展望について語っていただきます。

  • *DIGITAL'ATELIERは、BIPROGY株式会社の登録商標です。
  • *Omni-Base(オムニベース)は、株式会社ワールドの商標です。
  • *その他記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。