アパレル業界のDXとは?課題や活用メリット、事例を紹介

新型コロナの流行やSDGsの取り組みなどにより、さまざまなサービスのデジタル化が加速し、DXについてもその必要性が高まっています。
本記事では、まずDXとは何かを解説し、その上でアパレルにおけるDXについて具体的な企業事例を紹介します。DXを活用するメリットや、DX化を推進する上での課題についても解説しているため、ぜひご覧ください。

DXとは?

「DX」とはデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略です。企業がデジタル技術を活用してビジネスを変革し、新たな価値を創出する取り組みを指します。
DXの具体例として、以下が挙げられます。

  • AI・クラウドコンピューティングなど最新技術の導入
  • データ分析による意思決定・顧客体験の向上

DXは企業が競争力を維持し、市場での地位を強化するための重要な戦略です。しかし、成功するためには、組織全体での理解・取り組みが必要であり、技術だけでなく組織文化の変革も重要な要素となります。
DXはアパレル業界でも積極的に取り入れられており、オンラインで服を購入することができる「インターネット通販」は代表例です。アパレル業界での競争力を確保するためにも、DXの推進は非常に重要な要素となります。

アパレル業界におけるDXを活用するメリットと課題

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アパレル業界におけるDXを活用するメリットと課題について、以下の見出しで詳しく解説します。

アパレル業界においてDXを活用するメリット

アパレル業界においてDXを活用するメリットは、主に以下の3つです。

  • 在庫管理の一元化
  • 人材管理の一元化
  • ユーザーに合った接客・提案ができる

アパレル業界においてDXを活用する最も大きなメリットは、「在庫管理の一元化」です。
DXを進めて在庫管理システムを導入すれば、各店舗で個別に行われていた在庫管理をクラウド上で一元的に行えます。リアルタイムに在庫状況を把握して適切な補充・在庫調整を行えるため、売り切れ・在庫過剰などの問題を減らし、顧客満足度を向上させられる点がメリットです。
人材管理の一元化も重要なメリットの1つです。従業員のスケジュール管理・能力開発・評価などをデジタルツールで一元管理すれば、効率的な人材管理が可能となります。店舗運営の効率化はもちろん、データを元にした公正な評価が反映されれば従業員のモチベーション向上にもつながります。
ほかにも購買データを蓄積すれば、ユーザーに合った接客・提案がしやすくなる点もメリットです。例えば、購入ユーザーの身長・体重データを集計すれば、似ている体型のユーザーに対しておすすめのサイズを提案できます。

DX化を推進する上での課題

一方で、DX化を推進する上で、以下のようなアパレル業界特有の課題も存在します。

  • 接客などアナログ対応が多い
  • 販売スキルが属人化しやすい
  • サイロ化しやすい・部分最適になりがち

アパレル業界は、従来顧客とコミュニケーションを取りながら服装を提案するアナログ対応が多い業界です。販売スキルが店員ごとに異なるなど属人化しやすく、ノウハウをなかなかマニュアル化できずDXを進めづらい課題があります。
顧客との直接的なコミュニケーションが多いアパレル業界では、デジタル化による顧客体験の変化に対する懸念もあります。店舗での買い物を楽しみにしている顧客にとって、オンライン化は必ずしもポジティブな変化とは限らないのです。
アパレル業界は大規模な企業になると、実店舗と管理部門が分かれているケースも多くあります。管理部門で集計した情報が実店舗までうまく共有されないなど、サイロ化しやすい点も大きな課題です。店舗数が多いと、状況によってシステムを導入できない店舗が発生するなど部分最適になりがちなケースもあります。
アパレル業界では、上記の課題に対して、解決方法を事前に用意した上でDXを進める必要があるでしょう。

アパレル業界におけるDXの具体事例

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アパレル業界でDXを進めている企業の具体的な事例を以下3つ紹介します。

  • 事例①:大手アパレルECモール
  • 事例②:大手カジュアルファッションブランド
  • 事例③:世界的スポーツブランド

事例①:大手アパレルECモール

大手アパレルECモールでは、日本のアパレル業界において比較的早い段階でDXを進めていました。モール型のECサイトでのアパレル販売を手掛ける企業で、送料無料・気軽な返品システムの構築により、若者を中心に利用が広がりました。(現在は送料無料ではない)
DXの一環として、身長と体重を入力すると、自分の体のサイズに合ったおすすめの商品を紹介してくれるサービスで、ユーザーがサイズ選びで迷わないよう配慮がされています。

事例②:大手カジュアルファッションブランド

日本発の大手カジュアルファッションブランドもDXに早期から注目したアパレル企業のひとつです。DXの一環として「RFIDタグ」を導入しています。RFIDタグとは、電子データをタグから読み取り、商品の識別・管理を行えるシステムです。
RFIDタグを導入することで、棚にある商品のタグを読み取るだけで情報取得ができるため、商品数をいちいち数えることなく瞬時に在庫の把握ができます。RFIDタグで会計もできるため、レジを無人化して人件費の削減・管理作業の負荷軽減につなげています。

事例③:世界的スポーツブランド

スポーツ用品を取り扱う世界的なアパレル企業で、DXの推進へ積極的に取り組んでいます。コンセプトストアを立ち上げてDX推進に取り組んでいるのが特徴です。コンセプトストアでは、店舗周辺の消費者ニーズ・購買データを活用して商品の品そろえを決めています。
具体的には、会員の購入データを蓄積し、各店舗に共有する仕組みです。デジタルデータを活用して消費者のニーズを把握することで、トレンドの察知・顧客満足度の向上につなげています。

アパレル業界でDXを推進するポイント

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アパレル業界でDXを推進するポイントは、以下の3つです。

  • 販売チャネルを複数もつ
  • セキュリティの強化
  • 最新のシステム・ツールを導入

販売チャネルを複数もつ

アパレル業界でDXを推進する重要なポイントの1つは、販売チャネルを複数もつことです。ECサイトだけでなくSNSなど複数の販売方法で商品を提供できれば、利便性が高まり、より多くのユーザーにアプローチすることが可能となります。
さらに各チャネルから得られるデータを活用することで、ユーザーの購買行動・嗜好を深く把握でき、よりパーソナライズされたサービスを提供できる点も大きなメリットです。

セキュリティの強化

DXを進める上で、セキュリティの強化も重要なポイントです。デジタル化により、顧客情報・企業の重要なデータがオンライン上に蓄積されるため、情報を保護するための対策が必要となります。
セキュリティ対策を怠ると情報漏洩のリスクが生じ、企業の信用を損なう恐れもあります。セキュリティ性の高いシステム・ツールを導入するなど、DXを安全に進められる対策が必要です。

最新のシステム・ツールを導入

最新のシステムやツールを導入することも、DXを成功させるための重要なポイントです。例えば、AI・ビッグデータの分析ツールを活用すれば、大量のデータから有用な情報を抽出し、ビジネス戦略の策定・商品開発に活用できます。
クラウドサービスであれば、データの管理・共有が容易になり、業務の効率化も図れます。最新のシステム・ツールを活用し、DXをスムーズに進めましょう。

まとめ

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デジタルトランスフォーメーション(DX)は、アパレル業界においても大きな影響を与えています。在庫・人材管理の一元化による効率化・顧客体験の向上など多くのメリットがありますが、販売スキルの属人化などDX化を難しくする課題も存在します。
DXを導入する際は、アパレル業界特有の課題に対して事前に解決策を立てた上で進めましょう。アパレル業界では、紹介した企業以外にもDXを推進するケースが多く、参考にするのもおすすめです。
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