アパレル業務を効率化するための方法やポイントとは?

人手不足が叫ばれている日本ですが、アパレル業界においてもその問題は深刻です。限られた人員で多岐にわたる業務、リアルとネットをつなぐビジネスモデルの変化などで負担も大きく、残業してもなかなか業務が進まない状況も多くみられます。
本記事では、アパレル業務で効率化が求められる理由と効率化のために実施したい方法(人に頼るのではなくシステムでの管理)や成功のポイントをいくつか紹介します。

アパレル業務において効率化が求められる理由

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アパレル業務で効率化が求められている理由は、主に以下4点が挙げられます。

  • 人手不足
  • 業務形態の変化
  • 人材育成の難しさ
  • 販促企画管理の難易度の高さ

人手不足

アパレル業界は人手不足が深刻な問題となっており、業務の効率化が求められています。日本全体の労働人口は減少傾向にあり、アパレル業界も影響を受けているのが現状です。総務省の労働力調査によれば、2019年から労働人口が減少傾向にあり、2022年の労働力人口は6902万人と前年に比べて5万人減少しています。
アパレル業は長時間の立ち仕事・売上ノルマのプレッシャーなどから離職率も高い傾向にあり、人手不足に拍車がかかっている状態です。人手不足を解消するため、人材の確保だけでなく、既存スタッフがより効率的に業務をこなせる環境づくりが求められています

参考:労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の概要|総務省

業務形態の変化

業務形態の変化も、効率化が求められる大きな原因です。近年、ECサイトの普及・多様な販売チャネルの出現により、アパレル業界の業務形態は大きく変化しています。
販売方法が多様化しているため、管理業務が増えており、効率化が求められているのが現状です。特に、在庫管理・商品配送など物流面での効率化が重要となっています。

人材育成の難しさ

業務効率化が求められる背景には、人材育成の難しさも存在します。アパレル業界の業務は、顧客に合ったスタイルの提案をするなど、スキルを必要とするケースが多く、人材育成に時間がかかります。
個人のスキルに依存するため業務が属人化しがちで、一部のスタッフが退職すると業務に支障をきたす場合もあります。上記の問題を解消し、人材育成への時間を確保するためにも、業務の効率化が必要です。

販促企画管理の難易度の高さ

販促企画管理の難易度の高さも、業務効率化が求められる要因です。アパレル業界では売上を拡大させるためにも、効果的な販促企画の立案・実施が重要な業務の一つです。
しかし、市場のトレンドを把握して適切な企画を立案するためには分析・調査などの高度なスキルが求められる上、時間もかかります。販売企画業務をスムーズに進めるためにも、データ分析ツールの導入・スキルアップの支援など業務効率化が必要です

アパレル業務効率化への取り組み

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アパレル業務効率化への具体的な取り組みとして、以下の3つが挙げられます。

  • 実店舗とECサイトなどの顧客体験の連動
  • 在庫管理サービスなどの導入
  • アウトソーシングの活用

上記を参考に、自社業務の効率化を進めましょう。

実店舗とECサイトなどの顧客体験の連動

アパレル業界では、実店舗とECサイトなどの顧客体験を連動させて、より効率的な販売戦略を展開する企業があります。これはOMO(Online Merges with Offline)と呼ばれ、オンライン・オフラインの境界をなくして、顧客体験の最大化を目指す取り組みです。
具体的には、ECサイトでの販売はもちろん、店舗で実際の商品を見た後に、オンラインで購入できる仕組みの構築などが挙げられます。
実際に商品を試着できるなどのオフラインのメリットとオンラインの利便性を組み合わせて、顧客満足度の向上につなげている例です。
以下の記事で詳しく解説しているため、気になる方はぜひチェックしてください。

関連記事: OMOマーケティングとは?アパレル業界で注目される理由を解説

在庫管理サービスなどの導入

在庫管理サービスなどを導入して、業務効率化を図るアパレル企業もあります。在庫管理はアパレル業務の中でも特に手間・時間がかかる部分であり、効率化が大きな課題です
在庫管理サービスの導入により管理業務の多くを自動化できるため、人的リソースを別の業務に割くことができます。これにより、全体の業務効率が向上するでしょう。
例えば、在庫業務を効率化できる「在庫管理システム」には、以下の機能が備わっています。

  • 在庫一覧機能:商品・保管場所ごとに在庫数を確認できる
  • 入出庫管理機能:入出荷製品の検品作業を自動化
  • 返品管理機能:簡単な入力だけで返品時の出荷履歴・在庫情報を自動修正

在庫管理サービスについては、以下の記事で詳しく解説しているため、気になる方はぜひチェックしてください。

関連記事: アパレル業界にとって在庫管理は生命線!直面する課題に対する解決方法とは?

アウトソーシングの活用

アウトソーシングの活用も、アパレル業界における業務効率化の代表例です。アパレル業界では人手不足が深刻化しており、スタッフにかかる業務負荷も増えています。自社内で完結しようとせずに外部に業務の一部を委託するアウトソーシングサービスを活用すれば、人的リソースが足りなくても効率化を図れます。
アパレル業界で活用されるアウトソーシングサービスは、以下のとおりです。

  • 商品の製造委託
  • ECサイトで受注した商品の発送・配送業務の委託
  • 顧客からの問い合わせ窓口であるカスタマーセンターの委託

上記のような業務を外部に委託すれば、商品開発・販売戦略の立案など売上につながる業務へ集中でき、業績向上につながります。

アパレル業務の効率化における成功のポイント

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アパレル業務の効率化を成功させるためには、以下のポイントが重要です。

  • 課題の明確化
  • オンライン・オフラインの連携
  • 顧客データの有効活用

課題の明確化

効率化を図るためには、自社が抱える課題を明確にするのが重要です。業務上の課題が把握できていなければ改善策が課題とずれてしまうため、効率化をスムーズに進めることができません。具体的には、以下のような業務上の問題点を把握します。

  • 業務の中でどの部分に時間がかかっているのか
  • どの部分でミスが多発しているのか

例えば、棚卸し作業に時間がかかっている場合、在庫管理システムを導入するのが効果的です。業務上の課題を明確にすれば効率化すべきポイントを把握しやすく、効果的な改善策を考えられます。

オンライン・オフラインの連携

オンラインとオフラインの連携も重要なポイントです。実店舗とECサイトを連携できれば、顧客体験を向上させるとともに業務の効率化を図れます。
例えば、ECサイト上でユーザーの体型に近い3Dモデルで商品の着用イメージを閲覧できると、新しい顧客体験を提供するだけでなく、サイズに関する問い合わせを減らせるといった、業務削減につながります。
オンラインとオフラインの連携は数多くのメリットがあるため、アパレル企業が優先して取り入れたい施策です

顧客データの有効活用

顧客データの有効活用もアパレル業務の効率化に重要なポイントです。顧客の購買データから商品の需要予測を立てれば、品切れ・余剰在庫のリスクをなくし、在庫管理業務を削減できます。
購買履歴などのデータを蓄積・分析してマーケティング戦略・商品開発に取り入れることができれば、ユーザーニーズを満たす商品を提供できるため、顧客満足度の向上にもつながります。
顧客データの活用は業務の効率化だけでなく、効果的な販売施策にもつながるため、優先して取り組みたいポイントです

まとめ

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アパレル業界では人手不足・業務形態の変化などから、業務の効率化がより一層求められています。業務効率化には、実店舗とECサイトの連動・在庫管理サービスの導入などが有効です。
業務効率化を図る際は、自社の業務課題を明確にして改善点を洗い出してから施策を立案・実行するのがおすすめです。デジタルツールを活用しながらアパレル業務の効率化に取り組み、労働環境の整備・業績向上につなげましょう。
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