アパレル・ファッション業界におけるSDGs 具体的な取り組みや事例を紹介

アパレル業界は衣服の生産・消費・廃棄の各ステージにおいて、環境・社会に大きく影響を与えています。近年ではSDGsを念頭に置いた事業戦略を組むケースも多く、環境負荷軽減などの取り組みがアパレル企業に求められているのが現状です。
今回はアパレル・ファッション業界におけるSDGsについて、具体的な取り組みや事例を紹介します。本記事を読めば、アパレル企業が実施すべきSDGsへの対応を理解し、スムーズに自社で取り組めます。SDGsへの取り組みにより、消費者からの信頼を高めて購買促進へとつなげましょう。

アパレル業界とSDGsの関係

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アパレル業界は生産から消費・廃棄に至るまで、環境や社会に大きな影響を与えています。具体的には、衣服の製造時に機械の稼働に必要な燃料使用によるCO2の排出や輸送時の排気ガスなど多くの環境の負担になる物質が排出されます。また、使用済みの服の廃棄方法も持続可能な社会づくりにおいて重要な課題です。
上記のプロセスは、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の多くと深く結びついています。特に環境保全や社会的平等など、資源の効率的な利用に関連する目標との関係が顕著です。本稿ではアパレル業界と密接に関わるSDGsの中から、3つの目標について詳しく解説していきます。

SDGs10: 人や国の不平等をなくそう

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SDGs10は世界中の不平等を是正し、すべての人が平等な機会を享受できる社会を目指す目標です。アパレル業界においてはフェアトレードの考え方を取り入れ、労働環境や賃金の不平などを解消する取り組みが求められます。
本セクションでは、アパレル業界とSDGs10との関連性、さらに業界として実践できる具体的な取り組みについて解説します。

アパレル・ファッション業界としての目標との関係性

アパレル業界は、原材料の調達から製品の製造に至るまで海外の労働力に大きく依存しているのが現状です。特に、国内で販売されている衣類の約98%が海外製品であり、多くは発展途上国で生産されています。しかし、上記の国では低賃金や過酷な労働環境が問題視されており、生産性を優先するあまり安全基準が軽視されて重大な事故が発生した事例もあります。
また、原材料の採取現場においても環境や地域社会への負担が見過ごされがちです。上記の現状は経済的不平等を助長する原因であり、SDGs10の目標に貢献するためには労働環境の改善や公平な取引条件の確立が重要です。

アパレル・ファッション業界において取り組めること

アパレル業界が不平等の解消に貢献するためには、いくつかの取り組みが必要です。まず、労働者への適切な賃金の支払いを徹底し、生活に必要な最低限の所得保証が求められます。また、製造現場での安全管理を徹底し、従業員が安心して働ける環境を整えることも重要です。
さらに、原材料の調達においてはフェアトレードの基準を満たすサプライヤーを選び、地域社会や環境に配慮した取引を行うことが大切です。上記の取り組みを通じてアパレル業界はSDGs10の達成に寄与し、持続可能な未来の実現に貢献できます。

SDGs12: つくる責任 つかう責任


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SDGs12は生産と消費の持続可能性を確保し、限りある資源の有効活用を目的とした目標です。アパレル業界では過剰生産や廃棄が問題視されており、資源の過剰消費を防いで適切な供給体制の構築が求められます。
本セクションではアパレル業界とSDGs12との関連性、および業界が取り組むべき具体的なアプローチについて解説します。

アパレル・ファッション業界としての目標との関係性

アパレル業界は急速に変化する流行によって、需要と供給のバランスが取りにくい状況に直面しています。アパレル業界ではシーズンごとに新作を大量に生産する一方で、需要予測が難しく在庫を多く抱える傾向があります。過剰在庫は廃棄処分となるケースが多いため、資源の過剰消費や環境負荷の増加を招いているのが現状です。
また、販売価格を下げるために品質を犠牲にした大量生産が行われ、短期間で廃棄される製品が増加しています。地球環境や資源利用に悪影響を及ぼしている現状があり、SDGs12の実現には適切な生産計画と消費行動の見直しが不可欠です。

アパレル・ファッション業界において取り組めること

アパレル業界が「つくる責任」「つかう責任」を果たすためには需要予測の精度を高めて過剰生産を抑え、不要な在庫を減らす努力が求められます。また、製品のライフサイクルを延ばすため、高品質で長く使える衣類の生産も大切です。
ほかにも、使用済みの衣類をリユースする仕組みや素材の再利用を進め、廃棄物を削減するなどの取り組みも進められています。一部のブランドでは、製品を修理して再販売するサービスやサブスクリプション型のファッションレンタルを導入するなど持続可能な取り組みが始まっています。

SDGs13:気候変動に具体的な対策を

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SDGs13は気候変動に対する緊急の対応を促し、環境への負荷を軽減するための目標です。アパレル業界では限りある資源を過剰に利用せず、環境のバランスを損なわない持続可能な生産の実現が求められています。
本セクションではアパレル業界とSDGs13との関係性、そして業界が取り組むべき具体的なアクションについて解説します。

アパレル・ファッション業界としての目標との関係性

アパレル業界は、1着の服を生産する過程で多大な環境負荷を与えています。たとえば、天然繊維の生産では化学肥料の使用が一般的であり、土壌汚染の原因となっています。
また、製造工場の稼働や製品輸送によって多くのCO2が排出されており、地球温暖化の進行に関わっているのが現状です。さらに、染料の処理が不適切な場合、廃水が河川に流れ込んで水質汚染が深刻化するケースも少なくありません。

アパレル・ファッション業界において取り組めること

アパレル業界が気候変動対策を進めるためには、生産や流通のあらゆる段階で環境負荷を削減する取り組みが求められます。具体的には、製造時のCO2排出を抑えるために再生可能エネルギーを導入した工場運営が有効です。
また、再生利用可能な素材やオーガニック繊維を活用し、資源の浪費を抑えるなどの取り組みもあげられます。
さらに、製品のライフサイクル全体を見直して廃棄物を減らす仕組みの導入も必要です。
たとえば、一部のブランドでは使用済み衣類を回収して新たな製品にリサイクルする取り組みを始めています。

各社のSDGsに向けた取り組み事例

持続可能な社会の実現に向け、各アパレル企業はSDGs(持続可能な開発目標)に基づく多様な取り組みを進めています。以下に、SDGsに向けた取り組みを進める企業の事例を3社紹介します。

【事例①】大手アパレルメーカー

この大手アパレルメーカーではサステナビリティを経営の中心に据え、環境負荷の低減と社会的責任の遂行に努めています。具体的には、店舗にリサイクルボックスを設置して不要になった衣類の回収を実施しており、リユースやリサイクルを促進して廃棄物の削減に貢献しています。
また、製品の生産過程で水の使用量を削減する技術を導入し、環境への影響を最小限に抑えている取り組みも特徴的です。さらに、労働環境の改善にも注力しており、生産パートナーと協力して労働者の権利保護や安全な作業環境の確保を推進しています。
上記の取り組みは、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」などへ直接的に関連しています。

【事例②】大手日用品メーカー

この大手日用品メーカーでは、環境と社会に配慮した商品開発と店舗運営を行っています。特に注目すべきは顧客から回収した衣類を染め直して再販売する取り組みで、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」に貢献しています。
また、店舗内に給水機を設置してマイボトルの使用を推奨し、プラスチックごみの削減にも取り組んでいる点が特徴的です。さらに、商品タグのプラスチックピンを紙製に変更するなど細部にわたる環境配慮型の改善を進めています。
上記の取り組みは顧客が楽しみながらSDGsに参加できる仕組みを提供し、持続可能な社会の実現に寄与しています。

【事例③】大手アウトドアブランド

この大手アウトドアブランドでは環境保護を企業理念の中心に据え、持続可能な取り組みを積極的に展開しています。自社施設では再生可能エネルギーの導入や廃棄物の削減、水資源の効率的な利用など環境負荷の低減に努めている点が取り組みの特徴です。
また、食品部門では持続可能な漁業やリジェネラティブ・オーガニック農法(再生有機農法)を推進し、地球環境の再生に貢献しています。
さらに、独自のプログラムを通じて製品の修理や再利用を促進し、消費の抑制と製品寿命の延長を図っています。
上記はSDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」などに関連する取り組みです。

まとめ

アパレル業界は環境や社会に与える影響が大きく、SDGs(持続可能な開発目標)に基づく行動が求められています。生産過程でのCO2排出削減や水質汚染対策、適切な労働環境の確保など、アパレル業界が直面する課題はさまざまです。今後、アパレル業界は企業と消費者がともに持続可能な未来に向けて取り組める仕組み作りを行っていくことが求められます。
なお、アパレル業界におけるSDGsを念頭に置いた事業推進には、「Omni-Base for DIGITAL'ATELIER」の利用がおすすめです。ECにおけるバックオフィス業務をサポートするツールで、以下の特徴があります。

  • システムを作り込まないことで運用保守の負荷が削減されている
  • SaaSであるため随時アップデートがなされ、持続可能なシステムである

上記の特徴はSDGsの目標8「働きがいも経済成長も」目標12「つくる責任つかう責任」にも関連しており、持続可能な社会作りにも貢献しています。