PIMシステムとは?プロモーション情報も管理し、効果的な販売戦略を実現しよう!
- 2025.04.07
- 基幹システム

「商品情報の管理が煩雑で、各チャネルで情報がバラバラになってしまう」などの課題を感じるEC担当者も多いのではないでしょうか。商品点数が多い企業や複数の販売チャネルを展開する企業では、情報の最新化や連携がスムーズにいかず、業務効率や売上に影響を及ぼすことがあります。
PIMシステムを導入すれば、商品マスタ情報だけでなくマーケティング用の写真やコピーまで一元管理が可能です。
本記事では、PIMシステムの導入メリットや向いている企業・販売形態について詳しく解説します。
PIMシステムとは?
PIM(Product Information Management)システムは、商品情報を一元的に管理するためのシステムです。PIMシステムでは商品スペックや定価などのマスタ情報に加え、Webサイトやカタログで使用するプロモーション情報も統合して管理できます。そのため、各チャネルでの情報の統一性が保たれ、顧客に対して正確で一貫性のある情報提供が可能となります。
従来、商品マスタ情報は各部門や媒体ごとに個別に管理されていました。しかし、PIMシステムでは情報を一元化して効率的な情報管理が可能で、情報の更新や修正が容易になり、業務効率の向上やミスの削減が期待できます。さらに、PIMシステムは多言語対応や多チャネル展開をサポートしており、グローバル展開を行う企業にとっても有用です。
CRMとの違いについて
CRM(Customer Relationship Management)システムは、顧客情報を管理して顧客との関係性を強化するためのシステムです。具体的には、顧客の購買履歴や問い合わせ履歴などのデータを蓄積し、個別の顧客に適切なアプローチを行うことを目的としています。一方、PIMシステムは、商品情報の管理に特化しており、商品スペックやプロモーション情報などを一元的に管理できるシステムです。
両者を組み合わせれば、顧客の購買履歴や嗜好(しこう)に基づいた商品提案やプロモーションが可能となり、より効果的なマーケティング活動が実現します。
例えば、PIMシステムで管理された商品情報を活用し、CRMデータの分析をすることで、特定の顧客セグメントに対して最適な商品情報を提供が可能です。
DAMとの違いについて
DAM(Digital Asset Management)システムは、写真・動画・テキスト・音声データなどのデジタルコンテンツを一元管理するシステムです。DAMシステムを活用すれば、企業内のデジタルコンテンツの効率的な管理と活用ができます。
PIMシステムとの違いは、主に管理対象の範囲です。PIMは商品情報を中心に管理し、商品スペックやプロモーション情報などを一元化します。
一方、DAMはデジタルコンテンツ全般を管理し、各媒体に合わせたコンテンツの作成や管理をサポートします。
なお、PIMシステムにDAM機能が搭載されている場合もあり、商品情報とデジタルコンテンツの統合的な管理が可能です。商品情報と関連するデジタルコンテンツを一元的に扱えるため、情報管理の効率化やコンテンツの再利用性が向上します。
例えば、PIMシステムで商品情報を管理しつつDAM機能を活用して商品画像や動画を管理すれば、Webサイトやカタログ制作時に必要なコンテンツを迅速に提供できます。
PIMシステム導入のメリット
PIMシステムで商品情報を総合的に集約・管理すれば、企業はさまざまなメリットを享受できます。以下に、PIMシステム導入の具体的な利点を紹介します。
商品情報をマーケティング情報含め一元管理する
PIMシステムを導入すれば、商品名や価格などの基本情報だけでなく商品コピー・特性・写真などのマーケティング情報も一元的に管理できます。そのため、各部門や媒体での情報のばらつきを防ぎ、統制の取れた情報提供が可能です。
例えば、商品スペック・価格情報・プロモーション用のキャッチコピー・商品画像や動画など、さまざまな形式のデータを一箇所で管理して情報の整合性と正確性を向上することができます。情報の一元管理によって顧客への情報提供の質が高まり、信頼性の向上につながる点がメリットです。
プロモーションのスピードを速めることができる
PIMシステムの導入でプロモーション活動のスピードが向上し、市場投入までの時間を短縮できます。なぜならPIMシステムで各商品の情報が統合され、社内での情報確認や修正の手間が大幅に削減されるためです。
例えば、新商品の発売時に必要な情報や素材を迅速に収集・整理し、各チャネルへスムーズに展開できます。そのため、競争が激化する市場環境において他社よりも早くプロモーションを展開して顧客の関心を集めることができる点がPIMシステムを活用するメリットです。
新規チャネルへの対応も行いやすい
PIMシステムはWebサイトやカタログなど既存のチャネルで使用している商品情報を一元管理でき、新チャネルへの展開時にも情報を容易に転用できます。そのため、担当者が異なっても参照すべき情報源が統一されており、情報更新や展開がスムーズに行えます。
例えば、新たにSNSでの販売を開始する際にも、PIMシステム上の情報を活用して迅速に対応が可能です。
また、PIMシステムは各チャネルに適したフォーマットでの情報出力が可能であり、チャネルごとの特性に合わせた情報提供も容易になります。
各チャネルでの顧客体験を最適化し、ブランド全体の価値向上につなげられる点もPIMシステム活用のメリットです。
PIMシステムの導入に向いている組織/販売形態
PIMシステムの導入は、特定の組織や販売形態において特に効果を発揮します。以下に、導入が適しているケースを3つ紹介します。
1. 幅広い種類の商品を多数扱っている
幅広い種類の商品を多数扱っているケースでは、PIMシステムの導入が効果を発揮します。近年、製品のライフサイクルが短縮化し、商品の更新や入れ替えが頻繁に行われています。特に、商品点数や種類が多い企業では各媒体やツールの情報を迅速かつ正確に更新しなければなりません。
上記のような場合、PIMシステムを導入して商品情報を一元管理し、各所への情報連携を効率化できます。情報の更新漏れや誤りを防いで業務効率を向上させられるとともに、商品情報の整合性が保たれることで顧客への正確な情報提供が実現します。
2. 多様な販売チャネルを活用している
多様な販売チャネルを活用しているケースも、PIMシステムの導入は有効です。複数の販売チャネルを展開する企業では各チャネルでの商品情報に差異が生じたり、プロモーション用のクリエイティブがバラバラになったりするケースがあります。
このような状況では、情報の不一致が発生しやすくブランドイメージを損なうリスクが高いです。PIMシステムを導入すれば、すべてのチャネルで統一された商品情報を提供できます。
3. 企業規模が大きく複数の部署で連携が必要である
企業規模が大きく複数の部署で連携が必要である場合も、PIMシステムの導入は効果的です。組織が大きくなると商品情報の管理が複数の部署にまたがり、情報の統一が難しくなるケースがあります。また、社内での連携が取りづらくなり、情報共有や確認作業に時間がかかる場合もあります。
例えば、大企業では商品開発部門・マーケティング部門・販売部門など複数の部署が商品情報を扱っており、各部署が独自に情報を管理していると情報の不一致や共有漏れが発生しやすいです。PIMシステムを導入すれば、すべての部署が共通のプラットフォーム上で情報を管理・共有でき、業務効率の向上とミスの削減が実現します。
さらに、情報の透明性が高まるため、各部署間の連携が強化されて迅速な意思決定が可能となり、組織全体の生産性と競争力の向上が期待できます。
マーケティングまわりの商品情報まで一元管理し業務効率化を
商品マスタ情報の正確な管理は重要ですが、PIMシステムでマーケティング関連の情報も一元管理すれば、業務の効率化と精度向上が期待できます。例えば、商品コピーやキャッチフレーズ、画像・動画といったプロモーション素材をPIMシステムに統合すると、社内外の関係者が必要な情報を迅速に取得できます。
PIMシステムの導入で各媒体での情報の不一致を防ぎ、ブランドイメージの統一を図れる点が大きなメリットです。また、複数のチャネルでの販売やプロモーションを効率的に展開し、市場の変化にも柔軟に対応できます。PIMシステムを活用し、マーケティング活動のスピードと品質を向上させて売上拡大を図りましょう。