EC売上を最大化する3つの改善ポイント|アクセス数・購買率・単価を高める具体策
- 2025.11.12
- EC
「ECサイトの売上が思うように伸びない」という悩みは、多くのECサイト担当者が抱えています。原因は自社の課題解決につながる施策が実施できていないことにあるのかもしれません。
ECサイトの売上は「アクセス数」「購入率」「購入単価」の要素に分解できます。各要素で改善が必要な箇所を分析し、課題にあった施策の実行が必要です。
本記事では、ECの売上アップに必要な現状分析の方法や具体的な改善策をわかりやすく解説します。本記事を読めば、ECの売上アップに必要な現状分析と改善策をスムーズに実行できます。
現状の売上状況を把握することが必要
ECサイトの売上を伸ばしたい場合、まずは自社の現状を正しく理解する必要があります。そこで押さえておきたいのが、ECの売上が以下の要素で成り立っている点です。
- 売上=アクセス数×購入率×購入単価
この3つの要素に分解して課題を分析すれば、「ECサイトのどこに伸びしろがあるのか」「何を改善すべきなのか」が明確になります。なお、アクセス数・購入率・購入単価の概要は以下のとおりです。
- アクセス数:ECサイトに訪問したユーザー数
- 購入率:サイトを訪れたユーザーのうち、実際に商品を購入してくれた人の割合
- 購入単価:購入者一人あたりの平均購入金額
ECの売上アップと一言で言っても、取り組むべき課題はサイトによって異なります。まずは上記3つの数値を確認し、どこに改善の余地があるのかを見極めることが売上アップへの最短ルートです。
アクセス数を伸ばしていきたい場合の施策
以下では、ECの売上アップを実現するために、アクセス数増加に効果的な4つのアプローチを紹介します。
広告運用施策
Web広告は、短期間でアクセス数の増加を実現したい場合に有効な手段です。リスティング広告やSNS広告などを活用すれば、商品・サービスに関心を持つターゲット層に直接アプローチし、サイトへ誘導できます。予算に応じて出稿量を調整できるため、少額で効果を測定しながらECの売上アップへの貢献度を見極めることが可能です。一方で、出稿するキーワードやバナーと、実際のサイトやLPとのギャップなどにより、サイトからの離脱率が上がるリスクもあるので注意が必要です。
SNS運用
SNS運用も、ECサイトのアクセス数増加に有効な施策です。InstagramやX、LINEなどのSNSは、今やEC事業者にとって欠かせないコミュニケーションツールです。新商品の情報発信はもちろん、ユーザーと直接コミュニケーションをとることで、顧客との信頼関係を築き、ロイヤリティを高めることができます。
ファンになった顧客は単に商品を購入してくれるだけでなく、口コミを通じて新たなユーザーを呼び込んでくれる可能性も秘めています。そのため、SNS運用は中長期的な売上向上に大きく貢献する点がメリットです。一方で、投稿内容や返信コメント等により、予期せぬ炎上リスクなどもあるため、注意が必要です。
SEO対策
SEO対策は、広告費をかけずに検索エンジンから継続的なアクセスを集めるための施策です。具体的には、ユーザーが検索するキーワードを意識して商品ページを作り込むなどの施策を実施し、検索結果でECサイトを上位に表示させます。
検索結果の上部に表示されると安定した集客が見込めるため、EC売上アップの強固な基盤となります。また、所定の条件を満たすとGoogleショッピングタブに無料で商品を掲載できるなどECサイトにとっては見逃せない集客チャネルです。一方で、Web広告やSNSと比較して、効果が出るまでに一定期間を要するため、継続的な取り組みが必要となります。
オフラインイベントなどへの出展
オンラインでの施策に行き詰まりを感じたら、オフラインでの活動に目を向けるのも選択肢の1つです。以下のようなオフラインでのイベントを通じて顧客に直接商品を体験してもらう機会は、ブランドへの理解と親近感を深める絶好のチャンスとなります。
- ポップアップストアの出店
- 展示会への参加
- サンプル提供イベントの実施
イベント会場でECサイトへ誘導するQRコードを設置するなど、オフラインでの出会いをオンラインへのアクセスへとつなげる施策も可能です。
購入率を上げるためにできる施策

以下では、購入率を上げるためにできる施策を4つ紹介します。
【施策1】UI改善
UIの改善は、ECサイトの購入率を上げるために優先的に取り組みたい施策です。「商品が探しにくい」「購入ボタンがどこにあるかわからない」などの使いづらさは、ユーザーが購入をあきらめてしまう大きな原因になります。
実店舗でいえば、商品の陳列が乱れていたり、レジがどこかわからなかったりするのと同じです。ユーザーのサイト内での動きを分析し、もし特定のページで離脱が多いようであれば、UIの改善を検討しましょう。
【施策2】Web接客ツールの導入
Web接客ツールの導入も、ECサイトの購入率を上げる上で有効な施策です。オンライン上でも実店舗のような接客ができれば、ユーザーの購買意欲を効果的に高められます。
例えば、チャットボットを導入して24時間いつでもユーザーの質問に自動で答えられるようにするなどが施策の例です。また、Web接客ツールを導入すると、以下のようなユーザーの購買意欲を高めるアクションも実施できます。
- ユーザーの閲覧履歴に基づいておすすめ商品を提案
- サイトから離れようとした瞬間に「今だけ使えるクーポン」といったポップアップバナーを表示
Web接客ツールの導入はユーザーの悩みや迷いをその場で解決し、購入への最後の一押しをサポートします。
【施策3】かご落ち施策
かご落ち施策も、ECサイトの購入率を上げる上で効果的な施策です。「商品はカートに入れたものの、購入まで至らずにサイトを離れてしまう」状態を「かご落ち」と呼びます。
かご落ちは、購入意欲が高いユーザーを取りこぼしている可能性もあり、販売機会の損失にも繋がります。
たとえば、カートに商品を入れたまま離脱したユーザーに対し、「お買い忘れはありませんか?」などのリマインドメールを送る施策が効果的です。また、サイトを閉じようとした際に「カートに商品が残っています」と表示するだけでも、ユーザーに再考を促すきっかけを作れます。
【施策4】決済手段の対応
決済手段の対応も、ECサイトの購入率を上げるうえで取り組みたい施策です。商品の選択から個人情報の入力まで進んだにもかかわらず、決済画面でユーザーが離脱してしまう場合は決済手段の不足が原因かもしれません。ユーザーが普段使っている決済方法がなければ、「面倒だから、また今度にしよう」と購入を諦めてしまう可能性があります。
クレジットカード決済はもちろん、各種スマホ決済・コンビニ決済・後払い決済など、ユーザーのニーズに合わせて選択肢を複数用意しましょう。決済の選択肢を広げるだけで、今まで取りこぼしていたユーザーを獲得でき、ECの売上アップに直接つながる可能性があります。
購入単価を上げるためにできる施策
以下では、購入単価を上げるためにできる施策を3つ紹介します。
クロスセル・アップセルの実施
購入単価を上げるための代表的な手法が、クロスセルとアップセルです。クロスセルとは、ある商品を購入しようとしているユーザーに対して関連性の高い別の商品を合わせて提案する手法です。例えば、カメラを購入する方にメモリーカードやレンズフィルターをおすすめするのがクロスセルにあたります。
一方、アップセルは、ユーザーが検討している商品よりもワンランク上の高機能・高価格な商品を提案する手法です。標準モデルのノートパソコンを検討中の方に、よりスペックの高い上位モデルの利点を説明して購入を促すなどのケースが該当します。
クロスセル・アップセルを一方的に提案するのではなく、ユーザーのニーズを先回りする形で行えると顧客満足度と単価を同時に高められます。
セット販売の実施
商品を個別に販売するだけでなく、関連性の高いものを組み合わせて販売するのも有効です。例えば、化粧水・乳液・美容液をまとめた「スキンケアセット」や、アパレルショップの「全身コーディネートセット」などが挙げられます。
セット販売の利点は「どれを組み合わせれば良いかわからない」というユーザーの悩みを解決でき、かつ単品で揃えるよりもお得になる点です。事業者側にとっては自然な形で複数の商品を購入してもらえるため、購入単価のアップに直結します。
送料無料の設定
送料無料となる限度額の設定も、購入率を高めるのに有効な手法です。多くのユーザーは、商品を購入する直接的な対価ではない送料の負担に抵抗を感じます。上記の心理をうまく活用するのが、「〇〇円以上の購入で送料無料」という設定です。
例えば、送料無料のラインを5,000円に設定したとしましょう。上記のケースでは、商品の合計金額が4,500円の場合に「送料を払うくらいなら、商品金額を5,000円以上にしよう」と考えやすくなります。
結果として、ユーザーの購入金額を、送料無料を設定した金額以上に引き上げることが可能です。ただし、送料無料となる金額は、自社で扱う商品の平均価格や利益率を十分に考慮した上で設定しましょう。
まとめ
ECの売上を最大化するためには自社の現状を正しく理解し、売上をアクセス数・購入率・購入単価の3要素に分解して課題を特定することがはじめの一歩です。
アクセス数が課題であれば、SEO対策やSNS運用で新たな顧客との接点を増やしましょう。
購入率が低い場合は、サイトのUI改善や決済手段の充実化で買いやすさを追求するのが有効です。さらに売上拡大のためには、クロスセルやセット販売などで顧客一人あたりの購入単価を高める施策も不可欠となります。
闇雲に施策を打つのではなく、データに基づいて自社の弱みを把握し、適切な打ち手を選択しましょう。まずはECサイトの現状をしっかりと分析し、改善点を洗い出してから必要な施策を実施していきましょう!
「Omni-Base for DIGITAL'ATELIER」は、アクセス数、購入率、購買単価アップに寄与するさまざまな施策を実現することが可能です。自社の課題を解決し、ECサイトの売上を最大化したい企業のご担当者様はぜひご検討ください。